お問い合わせフォームより、CB250Rのステッププレートとジェネレーターキャップを黒色アルマイトにしたいというご相談がありました。
写真を送付していただき、大きさや部品の形状、現在、どのような状態になっているのかを確認させていただきました。
ステッププレートの方は、無色アルマイト、または無垢の状態のような感じではあるのですが、
ジェネレーターキャップの方は、表面に塗装されている感じがします。
少しアルミ色とは違う色調のため、塗装がされているようであれば、サンドブラストで剥離することになります。
あとは、現物を送っていただき実際に部品を確認してからのお返事とさせていただきました。
1.現品確認
部品が届きましたので、実物を確認していきます。
メールで送っていただいた写真を確認した時に、ステッププレートは無垢、または無色アルマイトと判断しましたが、テスターで導通を測定してみると通電しますのでアルミ無垢の状態であることがわかりました。
ジェネレーターキャップの方は、やはり光沢もありアルミ色ではないため、明らかに塗装がされています。この状態ですと、アルマイトはできないため、サンドブラストで塗装を剥離してからアルマイトすることになります。
2.塗装の剥離
お客様にサンドブラストで塗装を剥離することは了承を得ていますので、サンドブラストにて塗装を剥離していきますが、塗装されているのは表面だけで裏面は塗装がされていません。
サンドブラストの際に、ネジ部を変形させないようにネジ部を保護してブラストをおこないます。
この状態で、サンドブラストを投射して塗装を剥離していき、塗装の剥離が完了した写真が下記になります。
塗装の剥離が完了したら、このあとはアルマイトになります。
3.黒色アルマイト加工
アルミニウム無垢の状態になった、ステッププレートとジェネレーターキャップを治具に取り付け、アルマイトの準備をします。
オートバイに取り付けた際に、接点の跡が見えにくい位置を選び治具に取り付けます。
ステッププレートは穴の内面に、ジェネレーターキャップはネジ部にて接点を取り、アルマイトを行います。
この部品は、純正の状態で黒色アルマイトや無色のアルマイトが施されていない部品なのですが、なぜ、アルマイトが施されていないのか?
アルマイトに適した材料ではない可能性が考えられます。
適した材料の場合、アルマイトした方が耐食性もあるのでアルマイトが施されていることが多いです。
アルマイトを施した際に、やはり褐色のような仕上がりでアルマイト電解が完了しました。
黒色の染色の場合、ある程度皮膜厚さがあれば染色は可能ですが、きれいに黒くなる保証はありません。今回、ご依頼をいただいた際に、その辺りのことも事前にお伝えをしていましたので、このまま作業を継続し、下記の写真のような仕上がりになりました。
通常の黒色アルマイトよりは黒くはありませんが、パッと見た感じでは黒く見える仕上がりになっています。
ジェネレーターキャップはブラストを施しているため、ツヤがありません。
ツヤが欲しい場合には、塗装を剥離した後に表面をバフ研磨などで光沢を出してからアルマイトを施すと少しは光沢がある状態になるかとは思います。
化学研磨はできないのかということも検討されると思いますが、こちらの材質の場合、化学研磨を施しても、光沢を得られる材質ではありません。
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