先日、お客様より『黒色アルマイトをしたら白い部分があるのですが!?』とお問い合わせがありました。
白いところがあると言われても、状態が理解できないため、製品を見せていただきことにしました。
届いた製品の表面に確かに、少し白っぽいようなグレーっぽい感じのような部分があります。

その部分を指で触ってみると、傷とかではなく何か柔らかい感じがします。
ゴム!?粘着剤!?何かそういうものが付着していて、アルマイトがうまく生成していない感じの状態です。

1.苛性ソーダでアルマイトを剥離する

何が付着しているのか、わかりませんが、このままの状態では使えそうにありません。
寸法的には再アルマイトが可能な製品のため、剥離して素材を確認してみます。

まずは、脱脂を十分にして、50℃に加温した苛性ソーダ溶液に1分間浸漬してアルマイト皮膜を剥離していきます。

剥離している最中、念のため目視で確認しながら剥離していたのですが、この白っぽい部分だけ
アルマイトの剥がれが悪いです。何かにマスキングされている感じです。

綺麗にアルマイトが剥離できたのを目視で確認できたのは2分ほど経過した時でした。
この時点で、付着物も表面には残っていない状態でしたので、再アルマイトもできそうかなと思いました。

脱スマットして、乾燥が完了した製品の表面を確認してみると、素材に痕がでています。

これをこのままアルマイトしてしまうと、素材の痕がアルマイト後も残ることになりますのでお客様にご連絡をさせていただき、まずはこのまま返却ということになりました。

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2.痕が残った製品をいかすには!?

先ほどの写真のように、素材に痕が残ってしまった場合、

・バフ研磨などで消す。
・サンドブラストで消す。
・切削加工で消す。

などの方法を取ることで、痕跡を消して仕上げることが可能です。
ただし、元の状態と全く同じようには仕上がりませんので、その辺を了承していただく必要はあります。
また、100%なんでも再加工で元に戻るとは限りませんので、製品の現物を確認させていただき最良の方法をとらせていただくようにしています。

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この記事の著者は

株式会社小池テクノ 代表取締役 大橋 一友

株式会社 小池テクノ 代表取締役社長
大橋 一友
毒物劇物取扱責任者
水質関係第二種公害防止管理者
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
化学物質管理者
特別管理産業廃棄物管理責任者