両性元素とは。単体が酸の水溶液にも、強塩基の水溶液にも反応して、それぞれの塩を作る元素を『両性元素』と言います。
周期用の非金属元素との境界付近になる
- アルミニウム(Al)
- 亜鉛(Zn)
- スズ(Sn)
- 鉛(Pd)
などが両性元素になります。
※塩基については、表面処理用語集の方で解説していますので、ご参考にしてください。
1.アルミニウム
アルミニウム単体は、酸とも塩基とも反応を示す元素です。
アルミニウム単体は、強酸・強塩基と反応をして水素を発生します。
塩酸とアルミニウムを反応させると、
2Al+6Hcl→2AlCl3+3H2
水酸化ナトリウムと反応させると、
2Al+2NaOH+6H2O→2Na[Al(OH)4]+3H2
のように酸とも強塩基とも反応して塩をつくります。
2.両性酸化物
両性元素と似た用語で、『両性酸化物』というのがあります。
これは酸とも塩基とも反応する【酸化物】のことで、アルミニウムや亜鉛などの酸化物があります。
アルミニウムの表面を、人工的に酸化させて内部を保護するように不動態化させたものが『アルマイト』になります。
・酸化物の酸との反応
Al2O3 + 6HCl → 2AlCl3 ± 3H2O
・酸化物の塩基との反応
Al2O3 + 2NaOH + 3H2O → 2Na[Al(OH)4]
両性酸化物に、さらに似たもので『両性水酸化物』という物質も酸とも強塩基とも反応する【水酸化物】になります。
・水酸化物の酸との反応
Al(OH)3 + 3HCl → AlCl3 + 3H2O
・水酸化物の塩基との反応
Al(OH)3 + NaOH → Na[Al(OH)4]
これらの反応を見てわかるように、両性元素は単体・酸化物・水酸化物のどれであっても酸と反応するときは陽イオンとなり、塩基と反応する時には錯イオンとなります。
アルミニウム単体が、酸・塩基と反応する時には、水素が発生すると最初に記載しましたが、酸化物・水酸化物が酸、塩基と反応する時には水が生成します。
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