少し前に、トランギア製のメスティンにアルマイトを施した事例をご紹介しましたが、今回は、100均のお店、ダイソーで販売されているメスティンのフタにオレンジ色アルマイトを施しましたのでご紹介したいと思います。
100均なのに、500円で売られているメスティン。ですがトランギア製などと比べると安価なので人気のある商品です。その分、多勢の方が使われているかと思いますので、少しみんなと違うのも楽しいと思い作りました。
ダイソーのメスティンは、すでに無色のアルマイト加工が施されています。
そのアルマイト皮膜を剥離してオレンジ色にカスタムする工程をご紹介していきます。
1.メスティンのアルマイトを剥離する
ダイソー製のメスティンには、購入した時から、無色のアルマイトが施されています。これは、フタも本体も共にです。
新たにアルマイトをおこなうには、メスティンに電流を流さなければなりません。
ですが、アルマイト皮膜が施されていると、その皮膜は不動態化皮膜と言って電気の流れない皮膜のため、剥離する必要があります。
アルマイト皮膜は、加温された苛性ソーダ溶液に浸漬することで簡単に剥離できますので、治具にラッキングして、現在のアルマイト皮膜を剥離します。
加温した苛性ソーダ溶液に浸漬し、1~2分ほどでアルマイト皮膜が剥離できます。
剥がれた状態のままでは、表面にスマットと呼ばれる不純物が付着しているため、脱スマットと呼ばれる硝酸溶液に浸漬し、スマットを除去し乾燥させます。
剥離する際に、治具にラッキングしていた部分のメスティンには、アルマイト皮膜が小さく部分的に残っているため、乾燥後接点位置を変更しアルマイト皮膜の無い部分を使うようにします。
接点位置を変更しないと電気が流れず、再アルマイト加工してもアルマイト皮膜が生成しなくなってしまいますので注意が必要です。
2.メスティンのフタをラッキング
接点位置を変えてラッキングします。
接点が大きく出ないように、フタの一番奥のフチの部分を接点にし一番目立たない場所を接点をとするのです。
ただし、気をつけないといけないのが、アルマイト中のエアー攪拌などによる接点位置のズレで、しっかりと固定していてもエアー攪拌などによって、接点が動かされてしまう場合もあるので十分に確認をしてラッキングします。
3.メスティンのフタにアルマイト加工を施す
ラッキングが完了したら、アルマイト工程に入ります。
ここからは、トランギア製のメスティンを処理した時と同じ工程をおこなっていきます。
脱脂 | |
エッチング | |
脱スマット | |
アルマイト |
ここまでは、グリーンのアルマイトも、無色のアルマイトも同じ工程になります。
ここから、いよいよメスティンをオレンジ色に染色します。
オレンジの染料の中に浸漬し、ちょうど良い色調になったら水で洗い流すのですが、今回は5分ほど染料の中に浸漬してみました。
この時点で、色が薄いようであればもう少し染色時間を延長し色を濃くすることができます。
ただし、濃くする場合にはアルマイト皮膜がそれなりの厚みがある必要があります。
染料はアルマイト皮膜に空いていいる、無数の小さな穴の中に染料が入り着色されるわけですので、染料が入るための小さな穴の深さがないと、たくさんの染料を入れ濃くすることができなくなってしまいます。
染色が完了したら、封孔処理をおこない完成となります。
ダイソー製のメスティンは、本体側はアルマイトが施されているためフタだけのカスタムとしました。
乾燥が終わり、出来上がったフタがこちらになります。
外側
内側
フタの内側にも接点と感じるような白い跡は、ほとんどわかりません。
メスティン本体に、組み合わせてみた全体像が、こちらの写真です。
オレンジのメスティンも、可愛くありませんか?
こんな遊び心のあるメスティンも面白いかと思います。
4.動画で解説しています。
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