巷で流行っている、メスティンを購入してみました。
メスティンとは、キャンプなどで使用する飯盒(はんごう)のことで、飯盒と聞くと、イメージするのは、こんなイメージではないでしょうか!?
メスティンは、このイメージとは違って、下の写真のような形状です。
このメスティンは、トランギアというメーカーのメスティンなのですが、アルミニウムでできているのですが、アルマイト加工はされていません。
アルミニウム無垢の状態の為、このままではサビが発生する可能性もあります。
そこで今回、トランギア製のメスティンにアルマイトを施そうと思います。
メスティンは、フタと本体と取手で構成されている為、まずは分解するのですが取手はステンレス製のため、アルマイト加工はできません。
フタと本体はアルミニウム製なので、この二つをアルマイトしていきます。
1.本体をラッキングしてアルマイト
メスティン本体を治具にラッキングします。
ですが、メスティン本体は、本体と取手を取り付ける部分がアルミリベットでカシメてありますので、接点不良が発生しないように本体と取手をつける部分両方に電気を流せるようにアルミ製の針金で巻きつけて接点を取るようにします。
治具にラッキングした状態が下の写真になります。
ラッキングしたら、自動アルマイトラインに投入し、
脱脂処理をおこない、表面に付着した油分などを除去します。
次に、エッチング処理(下の写真)をおこない表面に食い込んだ汚れなどを除去します。
およそ1/100程度、アルミニウムを溶解させて綺麗なアルミ表面にした後、脱スマット処理で、アルミニウム以外の不純物を除去します。
脱スマットまで完了するとアルミニウム表面は、完全に活性化された綺麗な表面となり、アルマイトするための前処理が完了します。
ここから、アルマイト工程に入るのですが、メスティンは直火で炙られる製品のため、アルマイト皮膜を厚くしてしまうと皮膜にクラックなどが入る可能性がありますので、アルマイト皮膜厚さを5μm(5/1000mm)にします。
アルマイト液に浸漬し、電流を流してアルマイト皮膜を生成させていきます。
およそ30分後、アルマイト皮膜が生成したら水で綺麗に洗うのですが、本体と取手の取付部分の伱間に注意を払い、十分に洗浄します。
ここで綺麗に洗っておかないと、取手部分の伱間にアルマイト液が残留していて、封孔処理や乾燥をおこなった際に、アルマイト液が吹き出してきてしまいます。
綺麗に洗浄できたら、封孔処理をおこないます。
封孔処理が完了すると、しっかりと乾燥させて本体のアルマイト加工は完了になります。
2.メスティンのフタをグリーンアルマイトする
次はメスティンのフタをアルマイトするのですが、無色のアルマイトで本体と同じように仕上げても良いのですが、オリジナリティがある方が良いか思うので、グリーンアルマイトを施してみました。
フタには穴などは空いていないので、チタン製の治具にラッキングします。
この時、外側では接点が取れる場所がないので、内側の見えにくい部分を使用してラッキングします。
内側を接点として使うことで、完成した際に接点となる部分が表面にでず、外観面は全て綺麗なグリーンアルマイトになります。
このまま本体の時と同じように、脱脂処理→エッチング処理→脱スマット→アルマイトと工程を進めていきます。
脱脂 | |
エッチング | |
脱スマット | |
アルマイト |
アルマイト工程まで完了したら、ここからグリーンの染料で好みの色調に染色していきます。
グリーンの染料に浸漬して色調を確認しながら、色の濃さを調整します。
少し薄めのグリーンの方が爽やかな色調になるため、上の写真の染色濃さで取り出し、水で染料を綺麗に洗い流します。
綺麗に洗浄した後、色抜けの防止と耐食性の向上のために封孔処理をおこないます。
封孔処理後、乾燥させた状態が、下記の写真になります。
3.本体とフタを組み合わせてみる
本体とフタのアルマイトが完成したので、組み合わせてみたいと思います。
他には無いような、オシャレなメスティンが出来上がりました。
メスティンの内側も下の写真のように、しっかりとアルマイト加工されていますので、安心して使用することができます。
また、他の色でも作成してメスティンの事例をご紹介したいと思います。
未使用のメスティンをアルマイトしたいという場合は、下記までご連絡ください。
4.動画で解説しています。
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