以前の記事『薄い板状の製品をアルマイトするために、治具ではさむと変 形してしまうが、なんとかできる? 』でご紹介した製品が、ついに艶消し黒色アルマイト依頼で入荷してきました。

個々の製品サイズは小さく変形してしまいそうなサイズのものですが、それを変形させないために、以前にお客様と考えた方法が下記の写真ような製品を作り、アルマイト加工後に切断する方法です。

今回は、この写真に近い状態に製品が作成されているので、この状態でアルマイトを施していきます。

1.ラッキング

入荷した製品を確認し、ラッキング 方法を検討します。

φ6ぐらいの穴を開けてくださっているので、そこを接点とし治具にラッキングしていきます。

薄い板ですので、チタン治具で直接ラッキングしてしまうと電解中にスパークする恐れがあり、接点部分が焼け焦げてしまう可能性がありますので、アルミ線で吊るしてラッキングします。

この時、アルミ線で電流を供給するのですが、治具の下部へゴムでひっぱり接点が動かないように、確実にラッキングしていきます。

2.アルマイトを施す

ラッキングが完了した製品を、アルマイトラインへ投入しアルマイト工程をおこなっていきます。

脱脂→エッチング→脱スマット→化学梨地→脱スマット→アルマイト→染色→封孔処理→乾燥
(加工工程の間、水洗処理があります。)と工程を進めていくのですが、一番重要な部分はアルマイト工程で電解する電流が強すぎるとアルミ線が溶けてしまう可能性や、製品とアルミ線の接触部分がスパークする可能性がありますので、十分に注意しながら作業をおこないます。

「めっき・表面処理用語集」知りたい用語を検索。こちらで詳しく解説しています。

3.アルマイト完成品

アルマイトが完了し、取り外した製品がこちらの写真になります。

アルマイトも問題なく処理されていて、一度に90個の製品のアルマイトが完成します。
この小さな部品を1個ずつアルマイトするよりもコストも安価ですし、変形もなく処理が可能です。

弊社での処理は、これで完成となるのですが、お客様側でこの後に1個ずつ切断していただき、ユーザー様へ納品となります。

4.動画で解説しています。


 

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薄い板状の製品をアルマイトするために、治具ではさむと変形してしまうが、なんとかできる?

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この記事の著者は

株式会社小池テクノ 代表取締役 大橋 一友

株式会社 小池テクノ 代表取締役社長
大橋 一友
毒物劇物取扱責任者
水質関係第二種公害防止管理者
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
化学物質管理者
特別管理産業廃棄物管理責任者