めっきと一口に言う場合がありますが、めっきには多種の種類があり個々のめっき業者で行なっている内容が違うのです。

下記に、めっき・焼き付け塗装などの表面処理の一部をご紹介します。

表中の水色塗り潰し部分の、めっきが弊社では可能です。

クロメート 正しくは「有色クロメート」と言い、下地に電気亜鉛めっきを貼り、その上に化成処理であるクロメート処理を施します。クロメート皮膜は黄褐色です。
ユニクロ 正しくは「光沢クロメート」と言い、下地に電気亜鉛めっき貼り、フッ化物を含んだ溶液でクロメート処理を施します。クロメート皮膜はシルバー色です。耐食性は有色クロメートよりやや劣ります。
黒色クロメート 下地に電気亜鉛めっきを貼り、硝酸銀などを含んだ溶液でクロメート処理をする と黒色になります。銀が黒色を作っています。比較的安価に黒色のめっきができるため広く利用されています。耐食性は有色クロメートや光沢クロメートより劣ります。
茶ブロンズ(GB)(鉄) いわゆるGBめっき。Gはジャーマン、Bはブロンズ、またはブラウンの略。鉄の場合、下地に銅めっきを貼った後、特殊な薬品で色付け研磨をします。
三価ホワイト・三価 ブラック 亜鉛めっき上に安全性のある三価クロムを主成分としたクロメート皮膜を生成させた表面処理。六価クロムメッキからの代替品として一般的に使用されています。三価ホワイトは従来の有色クロメートと、三価ブラックは従来の黒色クロメートと同等の耐食性が得られます。六価クロムと違い無害ですが、六価クロムのような擬似的な自己修復性を持ちます。
ノンクロホワイト・ ノンクロブラック 六価・三価クロムを全く含まないこれからの時代に採用される完全環境対応表面 処理です。ノンクロホワイトの色調は有色クロメートと光沢クロメートの中間 色。ノンクロブラックの色調は黒色。傷がついても自己修復性があり、有色クロメート、黒色クロメートと同等の耐食性を有します。
ゼロクロムS・ゼロクロムSB 六価・三価クロムを全く含まないこれからの時代に採用される完全環境対応表面処理です。亜鉛めっきで問題になるウィスカ(めっき表面よりでる極細針状の亜鉛の単結晶)を発生させないゼロウィスカ処理品。電子部品などのウィスカ発生による短絡(ショート)事故を防ぎます。
三価カラー紫めっき・三価カラー水色めっき 電気亜鉛めっき後、三価クロメート皮膜を貼り、その後薄いアルカリで表面を少し剥がし、染料で染め込んで色付けします。赤・青・黄・緑・紺・ゴールドなど、原色をはじめ様々な中間色も加工が可能です。
三価ホワイト-ZECコート ZECコートは、クロムフリーで薄膜(1μm)で自己修復性をもつ高耐食皮膜です。三価クロムクロメートめっきの上に、高耐食性コーティング剤・ZECコ ートを組み合わせることにより、三価クロムクロメートめっきの約4~5倍の耐食性になります。薄膜なのでネジのはめ 合いにも問題はありません。
ニッケル 装飾用に広く用いられるめっきで、キラキラ輝く光沢を持ちます。しかし、電気亜鉛めっき+クロメート処理ほどの防錆力はありません。付きまわりを上げる目的で下地に銅めっきや下地用ニッケルめっきを貼り、その上に光沢剤入りのニッケルめっきを貼ります。
黒ニッケル ニッケルめっきの上に黒色の亜鉛-ニッケルの合金めっきを薄くつけます。このままでは変色しやすいので、さらにニス止めして変色を防止します。耐食性はニッケルメッキと同等程度です。
クローム 下地にニッケルめっきをし、その上にクロム鍍金をします。下地となるニッケルめっきの耐食性の欠陥をクロムの皮膜がカバーします。美観性が高く大気中ではほとんど変色せず、長期の装飾性の維持が可能です。硬度が高く、耐摩耗性も良好です。
バフクローム 美観をさらに向上させるために、めっき前に素材にバフ研磨をかけ、素地の表面を滑らかにしてからクロムめっきをします。光沢は最良で鏡のように仕上がります。
黒クローム 下地にニッケルめっき、その上に黒色のクロームめっきをします。カゴ(バレル)にいれた状態ではめっき出来ず、引っ掛けと呼ばれる1本ずつ吊るす方法でめっきします。その為かなりコストは割高ですが、重厚な漆黒の色合いになります。
スズコバルト すずとコバルトの合金皮膜のめっきです。クロームめっきの色合いに近く代用として利用されます。クロームよりやや光沢がなく耐食性も少し劣ります。
真鍮めっき 下地にニッケルめっき、その上に銅と亜鉛の合金である黄銅うぃめっきします。 黄銅は金と色合いが似ているので、これを代金めっきと呼ぶことがあります。金と比べて黄色っぽい色になります。
銅めっき 銅は酸素を含んだ水に簡単に侵され、亜酸化銅として腐食します。したがって装飾めっきとしては銅単独で用いられることはありません。銅めっきは、付きまわりが良好で均一電着性にも優れているので、鉄素材上のめっきの下地として広く用いられています。
ストロンジンク三価 (黒) 亜鉛-鉄の合金めっきで耐食性は亜鉛めっきの3倍以上です。黒色の需要が多いです。ストロンジンクの耐食性威嚇は JIS D 0201で規格化されています。
本金めっき 下地にニッケルめっきを貼り、その上に本物の金を貼ります。金は錆びない、熱や電気の良導体で、高温での参加にも強い。上棟式用の金ボルト等の装飾品・電子部品などに利用されます。
代用金めっき 下地にニッケルめっきを貼り、その上に黄銅よりも銅の比率が高い銅と亜鉛の合金を貼ります。真鍮めっきに比べて赤みがあり、より本物の金に使い色合いです。
銀めっき 電気伝導性が非常に良好で、コネクタ・ 端子・接点部品などに利用されています。ネジのかじりや焼き付き防止の目的でも使用されます。
三価ステンコート 亜鉛-ニッケル合金めっきであるジンロイを下地に三価クロメート処理を施し、その上に無色透明のコーティング剤であるKコートを施したもので、見た目も耐食性もステンレスに近くなることからステンコートと呼ばれています。
ステンめっき 亜鉛-ニッケル合金(ジンロイ+三価 化成皮膜+ZECコートを施し、鉄素材にステンレス色の外観とステンレス同等の耐食性を付与させる表面処理。ZECコートは、1μmと薄膜ですが、クロムフリ ーで自己修復力を持つこともあり、耐熱性・耐食性・耐損傷性・耐摩耗性に優れています。
ラスパート(シルバ ー) 亜鉛めっきを施した後、密着性をよくするための化成処理をし、セラミック材を浸漬塗装した後、加熱し素地に焼き付けます。優れた耐食、耐熱性のほか、特に耐酸、耐アルカリ性に優れているため屋 外使用品に適しています。(シルバー・ブラックなど様々な色付けも可能性。) 処理温度が200℃以下なので、製品の物性に影響を与えません。
ラスパートノンクロム(ブラック) 亜鉛めっきを施した後、クロムフリー特殊化成処理をし、防錆塗装皮膜を焼き付けます。完全ノンクロムで従来品と同等の優れた耐食性、耐熱性等の性質を持ちます。アルミ材、高耐食めっき鋼板などに対して電食(異種金属接触腐食)を軽 減できます。カラーバリエーションも豊富。処理温度が200℃以下なので、製品の物性に影響を与えません。
無電解ニッケル

→加工技術紹介

ニッケルと燐の合金めっきのことで、溶液中での還元反応を利用して品物の表面にめっき金属を析出させる処理方法です。膜厚のムラなく均一にめっきでき、非金属にもめっきできます。カニゼンめっきとも呼ばれます。
ドブめっき(溶融亜 鉛) 溶融亜鉛めっきと言い、溶かした亜鉛にドブッと漬けてつけるめっきです。コストの割に優れた耐食性があります。めっき厚がかなり厚く、雌ネジにはオーバータップが必要になります。また製品同士がくっつくこともあります。処理時に400℃以上の高温になるため、調湿ボルト、CAPなど熱処理をしている商品にはつけない方が良いです。RoHS対応品もあります。
スズめっき 白銀色のめっきです。すずは人体に無害なので食器、缶詰用薄鋼板に、ハンダ付け性が良いので、電気部品、電線に固体潤滑剤としての効果があるので、機械部品摺動部などにめっきされます。
パーカー(黒染め) 「黒染め」及び「パーカーライジング」の総称。「黒染め」は四三酸化鉄皮膜とよばれ、鉄鋼の表面に緻密な酸化被膜を形成させ錆を防ぐ処理です。「パーカーライジング」は、リン酸鉄、リン酸亜 鉛、リン酸マンガンなどのリン酸塩の溶液を用いて金属の表面に化学的にリン酸 塩皮膜を生成させる化成処理のこと。
二硫化モリブデン 固定潤滑処理(デフリックコート)と呼ばれ、二硫化モリブデン(固定潤滑剤)を有機樹脂に分散させ塗料状にしこれをコーティングして得られる乾燥皮膜です。高い防錆力と乾燥しているが潤滑性ありという特性をもっています。
ハイブリットフロンコート 相手の金属(鉄・ステンレス・銅・アル ミ等)に適合性た下地処理を行い四フッ化エチレン樹脂を使った塗料によりコーティングしベーキングをする。トルク係 数が安定し耐食性・耐候性・耐熱性・耐薬品性・耐焼き付き性・耐摩耗性・電気絶縁性等の諸性質が良い焼き付け塗装。 膜厚30μm以上のフッ素樹脂コート。
仙徳めっき(ABめっき) 語源は中国の明の宣徳年間に研究、制作された青銅器の着色法に由来しており、 日本では江戸時代に代表的な着色法として使用されていました。現在では銅めっき・真鍮めっき後に化学薬品にて着色、バフ研磨後にクリヤー塗装で色合いを出しています。
ダクロタイズド 主成分の亜鉛とクエン酸を含んだ処理液につけて塗装した後、加熱し素地に焼き付ける。電気亜鉛めっきと比べ耐食性は もちろん、耐熱性に優れている。また、工程中で酸を使わないので水素脆性の心配がない。グレー色。めっき厚が厚いので雌ねじの場合、アーバータップが必須。
ジオメット 環境負荷物質である6価クロムを含有していない、環境に優しい水系完全クロムフリーな表面処理。金属フレークが層状に重なり特殊向きバインダーにより結合された金属防錆表面処理です。耐食性に優れ、水素脆性の心配がない薄膜防錆処理(8μ程度)なのでネジの勘合は良好。
ディスゴ(DISGO) 高張力ボルトなどの水素脆性による遅れ 破壊が生じては困る鉄鋼製品のために開発されたクロムフリーの高耐食性表面処理技術。燐片状亜鉛を主成分とするベー ス塗料と有機(エポキシ)または無機(珪酸塩)の樹脂を主成分とするトップ塗料を加熱処理でつけます。
ラフレ(LAFRE) クロムフリー環境対応・超薄膜・高耐食性を基本コンセプトとして開発された防錆処理技術。亜鉛・錫・アルミニウムの3種類の金属を含有する密着性に優れた無機系皮膜で、合金めっきのような耐食性に富んだ強靭な皮膜で素地を保護します。めっき厚は5μ程度・塗装系薄皮膜 ノンクロム高耐食。
BK(SSブラック) 薬品による参加着色でステンレスの黒染めです。美麗な黒色で密着性・耐食性・ 耐熱性が優れています。電解法と比べて色調変化がなく均一性も有します。薬品カラー着色
テンパーカラー (SC-1・SC-2・ SC-3・SC-4・ SC-5) テンパーカラーとはステンレスに熱を加えることにより、ステンレス表面に多彩な色の変化が生じます。 この色の変化を応用し、温度差によりSCー1,SCー2などのカラーを着色する加工です。
焼付塗装 ネジの頭部などに、主にアクリル樹脂系塗料を吹き付け、その後に焼き付ける塗装で密着性がよい。また多彩な色に仕上げることができます。

今回ご紹介したものが全てではありません。これらの他にも色々な「めっき・表面処理」がありますので、製品の機能・性能に適した表面処理を選ぶ参考にでもしていただけたらと思います。

動画で解説しています。


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この記事の著者は

株式会社小池テクノ 代表取締役 大橋 一友

株式会社 小池テクノ 代表取締役社長
大橋 一友
毒物劇物取扱責任者
水質関係第二種公害防止管理者
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
化学物質管理者
特別管理産業廃棄物管理責任者
危険物取扱者乙種4類