気相めっき法(CVD)

1年ほど前に、「真空めっき(PVD・CVD)の概要と利点・欠点」について、書いたことがありますが、今回は、気相めっき法、“Chemical Vapor Deposition” 略して、CVDについて書いていきます。

この方法は、下図にあるように揮発性の金属、または非金属の化合物塩(ハロゲン化物)をめっき試薬として、これを気化したベーパーを高温に保たれている被めっき素材の周囲に水素、窒素、アルゴンなどのキャリヤーガスを用いて導き、素材の表面における低温の気相と高温の固相との接触に夜高温化学反応によって素材表面にめっき物質を析出させる乾式めっき(ドライシステム)のめっき方法です。

この気相と固相との温度勾配は、かなり高いものであるため、その析出機構は非常に複雑なものとなります。析出に関する理論的解明は、現在も明らかになっていませんが、最終的には一般に次のような3パターンの高温反応によってめっきが行われます。

表面処理に関する専門用語はこちらで詳しく解説しています

ここに、MXはCVD試薬、Ca、Cb、はキャリアーガス、Ccは触媒作用を行う素地金属、または添加剤などの第3物質になります。

CVDによって得られるめっきの種類は極めて多様で、約38種類の金属や非金属の元素およびそれらの合金のめっきが可能です。この中には、通常のめっき手法では困難なチタン・シリコン・タングステン・モリブデン・タンタル・ニオブ・ボロン・シリコン・カーボン・Ti-Mo・Ti-Ta・Cr-Al、などが含まれます。

さらに用いるキャリアーガスの種類や第3物質の添加によって、これらの金属や半金属の炭化物、窒化物、ほう化物、けい化物、酸化物など無数の超硬、超高融点、機能性の皮膜を得ることができます。

下記に代表例を記載しておきます。

元素 炭化物 窒化物 酸化物 ほう化物 けい化物 りん化物 ひ化物
a B B4C BN BP
a Al AlN Al2O3 AlP AlAs
a Ga GaN Ga2O GaP
a C
a Si SiC Si3N4 SiO2
b Ti TiC TiN TiO2 TiB2 TiSi2 TiP
b Zr ZrC ZrN ZrO2 ZrB2 ZrSi2 ZrP
a Sn SnO2
b Hf HfC HfO2 HfB2
b V VC VN
b Nb NbC NbN Nb2O5 NbB2 NbSi2 NbP
b Ta TaC TaN Ta2O5
b Cr Cr2O3
b Mo Mo2C MoB2 MoSi2
b W WC WB2 WSi2
b Fe Fe2O3 Fe2B Fe2Si

表面処理の種類と主な特性

めっきの種類はこんなにある!?

めっきをして欲しいが、どんなめっきをしたら良いかわから ない!?