カラーアルマイトは、アルミニウムを硫酸溶液の中で電解することにより、無色のアルマイト皮膜を生成させ、その無色のアルマイト皮膜を専用の染料を使って、染色することでカラー化できます。
カラーアルマイトが施されている、身近な製品ですとオーディオのパネルやアルミ製ストロー・アルミ製のスプーンなど意外と身近にカラーアルマイトされたものはあるのです。
自宅のアルミサッシなどは、アルマイトなのですが、今回紹介する染色アルマイトとは違う方法でのカラーアルマイトになります。
アルミサッシなどで使われるアルマイトについては、また別の記事でご紹介したいと思います。
染色アルマイトについては、弊社で在庫を持っている色については、常時カラーアルマイトすることが可能です。
黒・青・赤・緑・黄・オレンジ・ブロンズは、2022年1月現在、在庫していますので、可能です。
それ以外のカラーについては、染料を取り寄せることになりますので、処理コストが割高になってしまいます。
1.アルマイト用の染料はどれぐらいあるのか?
では、アルマイト用の染料というのは、どれぐらいあるかと言いますと、下記に弊社で購入可能な染料の色見本を掲載しましたので、ご覧ください。
取り扱いのある染料メーカーは2社ですが、これだけの種類があります。
黒色だけでも12色調あるため、全色を用意することは難しいのが現状です。
2.染料が同じであれば色は同じか?
染料が同じ品番のものを使用して染色したとしても、アルマイトの液濃度・液温度・電解時間、染色の液温度・液濃度・染色時間が違っても、色は同じになりません。
また、アルマイトを施した製品の表面の粗さ、梨地・ヘアーライン・鏡面などの状態によってに色調に違いがでてきます。
このほか、影響を与えるのがアルミニウムの材質にも影響されます。
アルミニウムはアルマイトを施した際に、材質ごと含有している成分の違いにより発色します。
その発色した皮膜を染料で染めるわけですので、色調に違いが発生します
3.アルミ鋳造品のカラーアルマイト
アルミ鋳造品でも、カラーアルマイトできる材質がありますがアルミ鋳造品の場合、外観を求めるには厳しい仕上がりになってくることが多いです。
巣穴などの影響や、材料のばらつきなどもあり展伸材のように色調が綺麗に出ないことが多いです。
アルミ鋳造品の場合、アルマイトの皮膜が厚く生成できず、染料を入れるほどの皮膜の厚さを確保できなかったり、
生成したアルマイト皮膜が発色していたりしますので、染料の色と皮膜の発色が混合して、色調に微妙な違いや大きな違いが出てしまいます。
カラーアルマイトをする場合、これらの要素を考慮しておかなければ仕上がってから、こんなはずでは無かったということになりかねませんので、十分に注意していただく必要があります。
意外とアルミ鋳造品の工業用製品で多いアルマイトは、無色のアルマイトや黒色のアルマイトになります。
無色のアルマイトでも、アルミ色と言うよりは、少し発色してコンクリートのような色になったりします。
黒色の染色の場合には、このコンクリートの色のような皮膜の中に黒色の染料を入れるので多少黒くなりますが、光沢感のない部分は黒く見えないような仕上がりになります。
アルミニウムダイキャストの場合は、鋳造品よりも染色に向いておらず、よく使われるA D C12と言われる材質では、アルマイトが褐色のような色をしていて染色しても、その皮膜の色調と混じって綺麗な仕上がりにはなりません。 また、ADC12の場合は、皮膜の厚さも厚く生成できないため、耐食性にも問題があります。
5.動画で解説しています。
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