以前に、アルマイトに使う治具はチタンで作成しているという記事を書きましたが、
そのチタンという金属について今回、ご紹介したいと思います。
チタンと聞くと、一番身近なものでは、メガネのフレームとか、腕時計で最近では使われていて、チタンという金属の名称を聞くことがあるかと思います。
鉄や銅・アルミといった他の金属と比較して、『高価で高品質な金属』というイメージでしょうか?
チタンは『軽い』・『強い』・『錆びにくい』という特徴を持った金属で、他の金属と比べても優れている部分が多々あります。
そのチタンの特徴は、
1.強度が高い
チタンは、とても強度が高い金属で重さあたりではアルミニウムの約3倍、鉄の約2倍の強度です。
強度に優れているため、航空機・ロケット・装甲・船など重要な構造物に使われることが多いのです。
また、強いだけでなく、しなやかさも持ち合わせ、少し曲げても元に戻る性質があり、バネのように戻ってくる力を比べると鉄の2倍にもなり、アルマイトで製品を治具に固定する際に、非常に重宝する金属になります。
2.耐食性が高い
チタンは海水中では白金に匹敵する耐食性を発揮し、他の主要金属より優れています。
また、『チタンは錆びない』というイメージをお持ちかと思いますが、チタンは、ステンレスと同じように不動態皮膜によって錆びにくい金属となっています。
表面処理業界では、錆びにくいことを耐食性が高いという表現をします。
耐食性が高いため、アルマイト工程中の化学薬品に侵されることもなく、使えることがメリットとして高く、量産製品の生産効率の向上につながっています。
このように化学薬品に強い性質を持っているため、船などのように海水に浸かっている構造物に使用されたりもしています。
3.軽い
チタンは、前述のように強く、耐食性の高い金属のため、重量があるように思われがちですが、非常に軽い金属でもあります。
チタンは鉄の3分の2、同と比べると半分程度と軽い金属なのです。
この軽さから、メガネのフレームやゴルフクラブなどに使われています。
『んっ!?アルミとは!?』と思いますよね・・・
アルミと比較すると、チタンの方が重いのです。
アルミとチタンの比重を比較してみると、下記のような感じです。
- アルミ 2.71
- チタン 4.51
同じ体積で比較した場合、比重が大きい方が重くなるのです。
例えば、下記図のような場合を比較してみると、同じ大きさの丸棒で重さを比較すると、アルミが212.84g・チタンが356.57gとチタンの方が重いのです。
4.安全性が高い
チタンはアレルギーが起こりにくく、人体にやさしく安全な金属なのです。
金属アレルギーを持つ人に対しても、アレルギーが起きにくく、有毒性も無いため、医療の道具や、人工関節などのように体内に埋め込む器具などにも使用されています。
ニッケル金属などのように人体の汗と金属が触れたりすることにより、イオンが発生し、そのイオンがアレルギー発生の原因となります。チタンは、このイオンが発生しないので、金属アレルギーが起きにくいのです。
このほか、チタンは他の金属に比べてメリットが多く、多くの分野で利用される素材なのです。
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