クラウドファンディングで受注を募っている製品で、色調の相談が会った際に、色の選択肢の中に、『ガンメタリックが良いなぁ~』ということで、ガンメタリックの色調を作ることに。
染料でガンメタリックに近い色調といえば、グレーなのですが・・・
どうもイメージと色調が違う。
では、黒色のアルマイトの染色時間を極端に短くして薄い黒色染色にした色調は、どうか?とサンプルを作成して提案してみると、
イメージに合う感じで、即、決定。
1.黒色は薄いとガンメタリックになる!?
アルマイト の染料は絵具に近いイメージなのですが、
薄いと薄い色に、濃いと濃い色に
時間が短いと薄い色に、時間が長いと濃い色に
皮膜が薄いと薄い色に、皮膜が厚いと濃い色に
なる性質があります。
そこで、皮膜を薄くして、染色時間を短くすることで、黒色を薄い色で染色して仕上げるようにします。
2.サンプルをガンメタリックに
黒色の染料の濃度の変化をさせるのは、液量も600Lと多いので大変ということで、皮膜厚さを薄めに3μm程度に、そして染色時間を黒色の場合は、15分程度なのを15秒ほどに短縮。
そうすることで、ガンメタリックに
3.製品をガンメタリックに仕上げる
サンプルは小さい端材なので、イメージとして濃いめに感じるのですが製品となると大きいので、人の肉眼でみたイメージが異なる場合もあります。
実際に染色する際には、サンプルと製品と比べながら色調の調節をおこないながら染色していきます。
封孔処理をすると、染色して水洗した状態よりも1割ほど色が落ちるので、その幅も含めて染色していきます。この域は職人レベル的な域になるので熟練が必要になります。
量産品の場合には、バラツキが少ないように液そのものを調整して使用するのですが、単品製品の場合は、染料の液を調整しているとコストが掛かりすぎるため技術で補います。
仕上がったガンメタリックの色調の製品が下の写真になります。
今回のように色調にこだわり、製品を作る場合には単品なのか、量産なのかで、色の再現性をやりやすい方法をとることがポイントになってきます。
量産品ですと、常に流れているので安定しやすいのですが、単品の場合、色見本を作成し、それに合わせて処理をする方法をとることが重要です。
それでも、染色ものなので若干の色調誤差、素材の成分のバラツキなどの影響も受けますので、ある程度の色調の許容幅を設けておくことが必要になります。
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