先日、お問い合わせのあった案件なのですが、『アルマイトでアルミの腐食痕を除去できませんか?』と、ご相談がありました。
その製品のサンプルを見せていただいたのですが、下記の黒いマジックで囲ってある部分が問題の部分です。
製品そのものを確認したところ、『腐食痕!?』とは思えない感じなので、材質も確認してみると、A6063なので、自然環境下ですぐに腐食してしまうような材質ではないことがわかりました。
1.腐食痕と言われている部分を手で触ってみる。
マジックで囲われている部分を、触ってみると凹凸を感じます。
爪がひっかかる部分と、そうでない部分があります。
腐食痕だとすると、爪がひっかかるほどえぐれてしまうことはないので、腐食痕ではなく、取り扱い時のキズなのではないかと思いました。
2.製品同士を擦り合わせて、キズをつけてみる。
上記で考えられた、キズなのでは?ということを確認するために、製品同士を擦り合わせてキズをわざとつけてみることにしました。
同じようなキズがつけば、キズであることもわかります。
上の写真の矢印の部分にわかりますでしょうか?
薄らとキズが入りました。
これをアルマイト加工することで、最初の写真のようなキズになる可能性があります。
この時に、どれぐらい強くキズが入っているかですが、アルマイト工程ではキズの除去はできないのです。
以前にも下記のブログでご紹介していますので、ご参考になればと思います。
3.製品を少しでも救いたい。
このようなキズがついていると製品として不良品となってしまうため、救済したいとのご相談でもあったので、アルマイトの前処理でエッチング工程と言って、アルミニウムを溶解させる工程があるのですが、そちらの工程で溶解させる時間を1.5倍に伸ばし、少しでもキズが目立たないようにできないかと考え、時間を延長するように急遽変更となりました。
エッチング工程で極端に変わるほどの変化はありませんが、まずは今回はその変更をおこない、輸送中についてしまうキズ、取り扱い時のキズなどを防止するようにして今後の改善に繋げていくようにお客様とお話ししました。
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