以前に、「アルミニウムの調質、質別記号とは!?」という記事を書きましたが、アルミ記号の説明を詳しくはしていませんでした。
アルミニウムと言っても、何種類もの種類があり成分・熱処理・形状などにより表記されるアルミニウム記号が違ってきます。
今回は、アルミニウム展伸材の記号について書きたいと思います。
1.材料記号
アルミニウム及びアルミニウム合金を表す記号(アルミニウムのA)
2.アルミニウム合金の系統
1 | アルミ純度99.00%またはそれ以上の純アルミニウム |
---|---|
2 | Al-Cu(銅)系(2000系) |
3 | Al-Mn(マンガン)系(3000系) |
4 | Al-Si(ケイ素)系(4000系) |
5 | Al-Mg(マグネシウム)系(5000系) |
6 | Al-Mg-Si系(6000系) |
7 | Al-Zn(亜鉛)-Mg系(7000系) |
8 | 上記以外の系統のアルミニウム合金 |
9 | 予備 |
3.アルミニウム制定順位
0 | 基本合金 |
---|---|
1~9 | 合金の改良形 |
N | 日本独自の合金、または国際登録合金以外の規格による合金 例:A7N01など |
4.純アルミニウムかアルミ合金か
純アルミニウム | アルミニウムの純度小数点以下2桁 |
---|---|
アルミ合金 | 旧アルコア(旧アルコア記号)の呼び方を原則としてつけ、日本独自の合金については合金系統、制定順に01から99までの番号をつける。 |
2のアルミニウム合金の系統が「1」の場合(純アルミニウムの場合1000系)はアルミ純度小数点以下2桁を表します。
(例)A1050= 純度99.50%のアルミニウム
合金の種類が1以外の場合は改良合金を含めた合金の識別を表します。
5.材料の形状
材料の形状によっても記号が変わってきますので、一般的なものを下記表でご紹介します。
P | 板 |
---|---|
PC | 合わせ板 |
BE | 押出棒 |
BD | 引抜棒 |
もっと、詳しく知りたい方はこちらの記事に記載しています。
「アルミニウムの調質、質別記号とは!?」←クリック
6.調質記号
こちらについても、一般的なものを下記表でご紹介します。
O | 焼きなまししたもの。(最も軟かい質別に適用する。) |
---|---|
F | 製造のままのもの。 加工硬化又は熱処理の特別のコントロールをしない製造工程から得られる製品について適用する。 通常, 展伸材については機械的性質の制限をしない。(現行JISでは, 抽伸棒に適用されている。) |
H112 | 積極的な加工硬化を加えずに製造状態で機械的性質の保証されたもの。 |
T4 | 溶体化処理後,自然時効させたもの。 (溶体化処理後冷間加工を行わず,十分に安定な状態まで自然時効させたもの。 したがって,矯正してもその冷間加工の効果が小さいもの。) |
T5 | 高温加工から冷却後人工時効硬化処理したもの。 (鋳物または押出材のように高温の製造工程から冷却後積極的に冷間加工を行わず,人工時効硬化処理したもの。 したがって,矯正してもその冷間加工の硬化が小さいもの。) |
T6 | 溶体化処理後人工時効硬化処理したもの。 (溶体化処理後積極的に冷間加工を行わず,人工時効硬化処理したもの。 したがって,矯正してもその冷間加工の効果が小さいもの。) |
T351 T3511 |
溶体化処理後冷間加工を行い,残留応力を除去し,さらに自然時効させたもの。 (溶体化処理後強さを増加させるため冷間加工を行い,永久ひずみを与える引張加工によって残留応力を除去した後,さらに自然時効したもの。) |
T651 T6511 |
溶体化処理後残留応力を除去し,さらに人工時効硬化処理したもの。 (溶体化処理後,永久ひずみを与える引張加工によって残留応力を除去し,さらに人工時効硬化処理したもの。) |
もっと、詳しく知りたい方はこちらの記事に記載しています。
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7.動画で解説しています。
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