防錆目的で最も多用される亜鉛めっき、亜鉛は自らが犠牲となって先にサビ、鉄がさびるのを遅らせる犠牲防食作用を発揮します。

亜鉛めっきは自己犠牲的に鉄を腐食から守る!?

亜鉛は鉄よりもイオン化傾向が高く、腐食しやすいので、自らが犠牲となり鉄をサビから守るのです。
そして、亜鉛めっき後に処理されるクロメート処理により亜鉛の腐食を防ぐことで長期間、鉄の腐食を守る仕組みになっているのです。

亜鉛めっきの工程は、品物を亜鉛めっきし、薄い硝酸に浸漬して光沢を出した後にクロメート処理をします。この際に最初に行われる亜鉛めっきのめっき浴は4種類あり目的によって使い分けるとよいです。

塩化亜鉛アンモニウム浴・塩化亜鉛カリウム浴
酸性のめっき浴で、熱処理後のボルトやナット、ネジなどの小物製品に適しています。
亜鉛イオンの供給源である塩化亜鉛に含まれる塩化物イオンの活性化力により表面酸化膜の剥ぎ取り効果が発揮されます。

亜鉛めっき浴の特徴と用途
主な特徴と利点 用途例
酸性浴 電流効率が良好。
めっき中に水素脆性がおきにくい
熱処理品・ボルト・ナット類
鉄鋳物
ジンケート浴 シアン浴からCN-を除いたアルカリ浴で、均一電着性に優れる プレス品、ボルト・ナット類
シアン浴 2時か構成が良好
均一電着性に優れる
プレス小物
複雑な形状のもの

表面処理に関する専門用語はこちらで詳しく解説しています

アルカリ性の亜鉛めっき浴には、シアン浴とシアンを含まないジンケート浴があります。

めっき液の構成成分の作用によって、めっき皮膜の物性や作業性は異なりシアンには析出の抑制力、光沢剤には無差別な析出の抑制力があります。
したがって光沢剤を補助的に使用するシアン浴は、他のめっき浴に比べて硬さが低く、めっき後の機械加工性に優れます。
また、ストレスが少ない皮膜が生成するので、割れやウイスカが発生しにくくなります。

亜鉛めっき液の種類と組成例
種類 成分 濃度(g/l)
塩化アンモニウム浴 塩化亜鉛
塩化アンモニウム
31~104
150~200
塩化カリウム浴 塩化亜鉛
塩化カリウム
ホウ酸
31~104
210~280
30
ジンケート浴 酸化亜鉛
水酸化ナトリウム
9~19
70~150
シアン浴 酸化亜鉛
シアン化ナトリウム
水酸化ナトリウム
9~28
30~45
75~90

亜鉛めっき浴の温度条件は、温度が高いとめっき反応が加速されて粗雑なめっきになってしまいます。めっき中に発生するジュール熱により、めっき液の温度が上昇してくるので、亜鉛めっき液を冷却して、液温度の上昇を防ぎます。

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