先日、お客様からカラーアルマイトの色見本サンプルを作成したいとご依頼があったのですが、注文書には材質 A5056となっているのですが、実際には違うアルミ素材で作成されていたようで、アルマイト加工ライン中で、その違いに気づきました。

なぜ工程中に気づいたかというと、アルミニウムを苛性ソーダでエッチングした際に、アルミニウム素材中に含まれる、銅、鉄、ケイ素などの不純物が苛性ソーダ水溶液には溶解せず、処理後にスマットとしてアルミニウム表面に残ったのです。A7000系の素材では、硝酸溶液に浸漬すると除去されるのですが、A2000系の素材の場合は、通常の硝酸濃度程度では、除去しきれないのです。

手動ラインの場合などは、この際に取り出してA2000系の素材として、別でアルマイト加工することもできますが、自動で動いているラインなので途中で取り出すという危険を作業者的には行えないので、そのまま工程は進んで行ってしまいます。

表面処理に関する専門用語はこちらで詳しく解説しています

アルマイト工程は、素材の材質ごとに少しですが工程や時間が違ってきます。ですので、違う素材で製品を加工されている場合に綺麗にアルマイトが施せない場合があります。
また、皮膜の生成の構造(孔の大きさ・皮膜の厚さ・皮膜の硬度)が違ってきますので、今回のように色見本としてとなると、皮膜の構造が違うため、材質ごとに色の発色具合も違い、それに染料を入れて色調が出来上がるので見た目の色が違ってきてしまいます。

アルマイト工程中に気づいたので、お客様に連絡をして「注文書と材質が違いますが、残りの製品の作業を中止しますか!?」と確認したところ、『作業はそのまま進めるように』と指示をいただきましたので、綺麗に仕上げるように作業を進めていきました。

A2000系の素材は、A5000系の素材よりも素材が発色しやすく、アルマイト皮膜の孔が大きいため、染料が入りやすく濃くなりやすい傾向がありますので、その辺を考慮して染色したものが下記の写真です。

各色1個づつサンプルの作成を依頼されましたので、こちらで完成ですが、あくまでもA2000系の素材のサンプルとなります。A5000系などは、これよりも色が薄い方向になり、さらに、少し黄ばみが抜けた感じになります。

言葉で聞いた感じでは、想像ができないかと思います。

以前に、A5000系とA2000系の青色アルマイトの色調の違いを書いた記事がありますので、下記の記事をご参照ください。

アルミ材料の種類が違うとアルマイトの仕上がりの色も違うの!?

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