『カラーアルマイトの色が揃わない。』
『カラーアルマイトの微妙な濃淡が気になる。』などとご相談される事があります。

RS_オレンジ
実際製品になった時に、非常に気になる製品の場合もあります。

カラーアルマイトの染色は、無色のアルマイトを施した製品を染料に入れて着色します。
そのため、アルマイト皮膜の状態・染料の状態・製品の状態により色調に違いがでてきます。

1.アルマイト皮膜の影響

カラーアルマイトの色調は、アルマイト皮膜の中に染料を入れるため、アルマイト皮膜の影響を受けます。
影響を与えるのはどんな条件かと言うと、

・アルマイト液の濃度
・アルマイト液の温度
・アルマイト皮膜の厚み

これらの影響をうけます。

アルマイト液の濃度が薄いと、染料を入れる穴の径が小さく色が薄くなります。
アルマイト液の濃度が濃いと、染料を入れる穴の径が大きく色が濃くなります。

アルマイト液の温度が低いと、染料を入れる穴の径が小さく色が薄くなります。
アルマイト液の温度が高いと、染料を入れる穴の径が大きく色が濃くなります。

アルマイト皮膜の厚みが薄いと、染料が入る穴の深さが少なく、色が薄くなります。
アルマイト皮膜の厚みが厚いと、染料が入る穴の深さが多く、色が濃くなります。

これらの3つの濃度・温度・皮膜の厚みをコントロールして、
染色条件を揃えなければなりません。

また、1度に処理する数量にも影響をうけ、
試作段階と、量産段階では生産する数量が違うため、
電流密度の違いが発生し、染色にも影響をあたえてしまいます。

試作の際には、ダミー材などを使用して、
量産と同じ条件を作り出すなどの工夫が必要です。

青アルマイト

2.染料の状態

染色するにあたり、染料の状態を一定に保つ必要があります。
濃い色調を求める場合と、薄い色調を求める場合でも、染料の濃度条件が変わります。

濃い色の場合、染料濃度を高めに設定し、染色しなければなりません。
薄い色の場合、染料濃度を低めに設定し、染色します。

濃い染料で、薄い色を染色の場合、染色時間が短いため、複雑な形状の製品の場合、1つの製品なのに、染色ムラが発生してしまうことになります。

染料に触れやすい部分は、早く染色され染料に触れにくい部分は染色が遅くなります。
そのため、1つの製品の中でも濃淡が発生してしまいます。

弊社のアルマイトラインのように自動でアルマイトをしている場合、1つのジグに何十個も製品がラッキングされています。

その場合、染料に浸漬する際に、一番早く染料の中に入る製品と、一番最後に染料の中に入る製品との時間差が10秒ほど違ってきます。

染料へ入る時に、10秒違うと言うことは染料から出る時にも10秒違うことになり、合計すると、20秒の差が発生してしまいます。

RS_染色

そのため、染色時間が60秒程度の淡い染色の場合、染色時間だけで80秒と60秒の違いがでてきます。

この時間の差だけでも、ラッキングされている状態で、濃淡が発生してしまいますので、濃度の低い液にして染色時間を数分と長めにとり、時間の差を調整する必要があります。

これらの調整は、使い慣れた染料を使用する際には、
経験から、どれぐらいで染まるか!?を想定することはできるのですが、
今までに使ったことのない、染料の場合使い慣れていないため、想定することが難しいです。

染色時間や染料濃度を調整して、類似した色調に染色が終わった後、水で洗い封孔処理をするのですが、

ここで問題となるのが、封孔処理での染料の色抜け具合です。
染料の種類によって、皮膜から染料が抜ける度合いが違います。

そのため、染色が終わった段階で、そっくりな色調でも封孔処理をすると、染色が終わった段階よりも色が薄くなります。

この薄くなる度合いは、染料の種類や皮膜の状態によって違ってきます。
ここを調整することが非常に難しい部分で、熟練度が必要とする部分になります。

他社でサンプルを作成して、量産は別の業者でおこなうと言う場合、ほとんどが色調が合わないとかなるのは、そう言う部分でもあります。

試作段階から、量産を想定して、業者選びをしておく必要があります。

染料は粉末状のものが多く、水に溶かして加温して使うことがほとんどです。
染色液を建浴して、使用してからある程度の期間保管しておくと、腐敗してきます。
腐敗すると、染色スピードが低下すると同時にカビが生え、使えなくなってしまいます。

防腐剤などを添加して、腐敗を遅らせることもしていますが、次に使うまで腐敗せずに保持できるかは、難しいです。

「めっき・表面処理用語集」知りたい用語を検索。こちらで詳しく解説しています。

3.製品の状態

カラーアルマイト加工する製品の材質にも、染色の濃淡は影響をうけます。
A2000系やA7000系は、染色スピードが早いため、A5000系などと比べると同じ時間染色しても濃くなります。

またA2000系やA7000系は、アルマイト皮膜そのものも、若干黄ばみを帯びた色調になります。
そのため、染料の色と皮膜の黄ばみを混ぜた色になります。

ちょうど絵具を混ぜるかのように、染めたい色の絵具に、黄色をわずかに足したと言うような感じになります。

鋳造品やダイキャスト品などでは、アルマイトをすると皮膜が濃いグレーや褐色になるものがあります。

これらに染色すると同じように皮膜の色と染料の色が混じり合い、求めているいろと違う色調になることが、ほとんどです。

材質による影響だけでなく、製品の表面状態にも影響をうけ、製品表面には素材のまま・切削面・ヘアーライン仕上げ・鏡面・梨地面など製品個々に違いがあります。

場合によっては、一つの製品なのに部分的に放電加工されていて、梨地面があり、切削面もある。そして素材の面もあるとなると、3パターンの表面状態があることになります。

この場合、色調としては3パターンが1つの製品で出来上がってしまうことになります。
カラーアルマイトで、見た目を揃えるためには、製品表面の状態も同じように仕上げる必要があります。

※ブラスト表面と素材表面の青色アルマイトの違い
青色アルマイト比較

カラーアルマイトの染料は、種類がたくさんあります。
青色・赤色などと言っても、数種類以上の色があります。
その中から、選定した染料を使用しているため、他社のサンプルと同じ色にして欲しいとなっても、同じ染料であるかは分かりません。

染料の番手やメーカーが違えば色調は違います。
また、濃淡にも違いがありますので、その辺は理解していただけるとアルマイト業者としては助かる部分です。

弊社で染色する場合には、お客様とカラー見本を作成し、その見本を何段階にも作り、濃淡のOKレベルを決めるようにしています。

切削にも公差があるように、アルマイトのカラーの濃淡にも公差が必要となるわけです。

4.動画で解説しています。


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