アルミニウムは空気中で表面に酸化アルミニウムの薄い膜を自己生成し、保護します。
そのため、非鉄金属の中でも耐腐食性に優れた金属で、錆に対しては強い性質を持っていますただし、その自己保護膜の酸化アルミニウムの薄い皮膜が破壊されると錆びてしまうのです。

この膜は、アルカリ性や酸性の環境にあまり強くなく、こうした環境下では薄い酸化アルミニウム皮膜は破壊され、腐食を引き起こしてしまうのです。
特に、アルカリ環境ではアルミニウムは腐食に弱い金属です。またアルミニウムは両性金属に該当し、酸性、アルカリ性の双方の環境で腐食してしまう金属でもあります。

弊社に入荷してきたユーザーさまの製品で、梱包を開封したら濡れており錆びていた状態。

機械加工されているアルミニウムは、純アルミニウムというよりは、他の元素を混ぜて作られたアルミニウム合金が多く、アルミニウム合金の種類などにより錆や腐食のレベルが違ってきます。

アルミニウム合金の耐食性
アルミニウム合金種別 特徴
A1000系(純アルミ) 純アルミであり耐食性はもっとも強いが、不純物として含むFeの量によっては耐食性がかなり落ちます。
A2000系 アルミ-銅系の合金です。ジュラルミンや超ジュラルミンに代表されるとおり、強度は最も強い部類ですが、粒界腐食を起こしやすいです。耐食性はアルミ合金の中で弱いほうです。貴な元素であるCuを添加することで耐食性劣化が避けられません。
A3000系 アルミ-マンガン系の合金です。添加元素がマンガンのため、マンガンの固溶体硬化により耐食性も維持できるアルミ合金です。加工性にも優れます。
A4000系 アルミ-ケイ素系の合金です。シリコンを添加すると融点が下がるので鋳造用で威力を発揮します。磨耗に対して強くなったり、耐熱性向上に寄与しますが、耐食性については特筆すべき点がありません。
A5000系 アルミ-マグネシウム系の合金です。強度にすぐれ、耐食性もよい部類です。
A6000系 アルミ-マグネシウム-ケイ素系の合金です。アルミサッシに使われることからも、強度や耐食性、応力腐食割れにも優れるアルミ合金です。ただし溶接はしにくい材料です。
A7000系 アルミ-亜鉛-マグネシウム系の合金です。超々ジュラルミンに見られるように、アルミ合金の中でも最強の部類になるが、状況により、粒界腐食を起こしやすい材料です。ただA7072はMgZn2を熱処理で析出させて強度を上げている合金で、電位が低く、犠牲陽極作用からアルクラッドの皮材としても使われ、耐食性には優れています。

アルミニウム合金よりも、不純物の少ない純アルミの方が錆にくい性質になりますが、純アルミのままでは強度が弱くアルミニウム合金として使われることが主となります。

JIS規格アルミニウム合金展伸材の化学成分

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アルミニウムの強度を上げるため、アルミニウムよりも貴となる金属を添加しアルミニウム合金化すると粒界腐食の原因となり腐食に対して弱くなってしまいます。

表面処理に関する専門用語はこちらで詳しく解説しています

アルミニウムよりも卑となるMg(マグネシウム)を添加した元素などは、耐食性は落ちず、強度もそこそこに上がります。

アルミニウムを取り扱う際には、「錆びない」という認識ではなく「錆びる」という認識を持って取り扱わなければ、後で問題が発生してしまいますので、気を付けてください。

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