アルマイトの多孔性皮膜の構造は、今までも記事でご紹介してきましたが、中心部に細孔のある六
角セルモデルで知られています。

では、この中心の細孔は、どのように生成されるのか?を今回はご紹介したいと思います。

1.電解初期の皮膜生成

アルマイト処理電解をすると、アルミニウムには細孔の無いバリヤー皮膜型酸化皮膜が形成されま
す。このバリヤー型の皮膜は、アルミニウム表面全体に均一に生成されるのではありません。
アルミニウムの表面には、自然酸化膜や大気中に浮遊する有機物の吸着などがあり、アルミニウム
表面が、同じようになっていないからです。

アルミニウムの陽極酸化皮膜は表面活性が高く、皮膜のできやすいところから生成を始めます。
ちょうど、島状に不連続にできやすいところからアルミニウム酸化膜が形成されるのです。

この初期の皮膜形成は、電流・電解液の特性・電解液温度・電解液濃度に依存します。
島状の酸化物の数は、電解液の酸濃度が低いほど数が少なく、ゆっくりと大きな島に成長してい
き、アルミニウム表面全体へと広がるとともに、島同士がつながり合いアルミニウム表面全体を覆
うのです。

このバリヤー型酸化皮膜がアルミニウム表面全体を覆うまでは、アルミニウム素地が露出をしてい
るため、電解初期に大電流を流してしまうと一部分に電流が集中してしまい、焼け発生の原因と
なってしまいます。

電解初期にはミクロに見るとアルミニウム表面は不均一な状態となっているため、初期に不均一
性を助長しないように電解初期はソフトスタートという電流をゆっくりと上昇させていく方法が
取られるのが一般的です。

2.細孔の発生と成長

アルミニウム表面全体を均一に覆ったバリヤー皮膜に細孔が生成するのは、どのようなメカニズ
ムによるものなのか?

多孔性皮膜を生成する電解液は酸化皮膜を溶解することの可能な電解液で、生成した酸化皮膜は
溶解性のある電解液にさらされているため、電解液による化学溶解によって皮膜の表面に無数の
小さなピットが形成されます。

この小さなピットの数は、最終的に形成される細孔の数に較べてかなり多いです。
この微小ピットの溶解が進む過程で、電解電圧に応じた間隔で選ばれたピットに電流が集中し、
化学的な溶解に電気化学的溶解が加わって細孔が成長するのです。
細孔の感覚は電解電圧で決まります。

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3.アルマイトの成長過程

酸化皮膜・アルミニウム素地界面の構造変化を下記の図に示します。
定電流電解において電圧は電解開始後、ほぼ直線的に上昇し、その過程での電気的な抵抗、アル
ミニウム上に生成したバリヤー層の厚さの変化を表していいます。皮膜生成初期にはバリヤー層厚
さが直線的に成長することにより、抵抗が増加し(1)、次の段階では皮膜が成長を続けるにも
関わらず局部的な溶解により微小な孔が多数発生し電圧上昇勾配が低下します。(2)

アルマイトの成長過程図
(1)では、バリヤー層の厚みが直線的に成長します。
(2)では、局部的な溶解により微細な孔が発生し始めます。
(3)では、バリヤー層の厚さが最大となる段階です。
(4)では、孔が半球状の形態を確立する段階です。

次に生成電圧に比例した大きさを持つメインの孔が生じ、バリヤー層厚さが最大となります
(3)バリヤー層の形状が半球状に変化し、中央に孔を持つセルが確立する段階(4)を経てそ
の後は孔底部の電圧を支えるバリヤー層が一定の厚さに維持されたまま、ポーラス層がアルミニウ
ム素地に対して垂直方向に定常的に成長します。

定電圧電解においても、皮膜成長は基本的に同じ過程です。

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