アルマイト加工は素材の影響を非常に受けやすい表面処理だということを知って頂き、アルマイト前の素材は取り扱いに注意する必要があります。

下記に実際に良くある事例写真を掲載して詳しくご紹介したいと思います。

・アルミニウム材質違い
たまにアルマイト加工中に、同じ製品で図面にはA5052などと表記されているのですが、A2000系やA7000系の素材で作られたりした材質違いの製品を目にすることがあります。
材質が違うと、アルマイト中に流す電流の密度が変わると共に、もともと、アルミニウム合金として含有する成分が違うため、膜厚のバラツキや、焼け、または色調違いなどが発生します。
材料の種類には十分に気をつけてください。
・異種金属の組み込み
タップ部分やピン穴など、アルマイト前の素材に、ヘリサートや位置決めピンなどが組み込まれている場合がありますが、アルマイト中は、硫酸溶液中で陽極電解をするためアルミニウム・チタン以外の金属は溶解してしまいます。また、全部溶解してしまえぼ、まだ良いのですが、一部だけ残ったりした場合に、除去が困難になりますので、ご注意ください。
取り外しができない場合は、一度、製品を見させて頂くことでマスキング等が可能な場合もありますので、ご相談ください。
・バフ研磨
バフ研磨をおこなう際に、局部的に熱が加わったり表面の粗さが違ったりすると、その部分の色調が変わる場合があります。また、バフ粉などが食い込んでしまったりしているとアルマイト工程の前処理で除去できない場合がありますので、事前に充分に除去して頂く必要があります。
除去が不十分ですと、バフカス残部にアルマイト皮膜が生成しない場合があります。
・保護テープ、ガムテープ、養生テープ、接着剤などの粘着物
アルマイト前のアルミ素材に、テープ類を貼り付けてあったり、仮組み立て後にバラして仮組の際の接着剤などが付着していたりすることがあります。これらの粘着物はアルマイト工程の前処理で除去できないことが多く、アルミ素材をマスキングするような形となってしまい付着部にはアルマイト皮膜が生成しなくなります。
・マジック、ペンキ、青ニス
アルマイト前のアルミ素材に直にマジックやペンキ、青ニスなどで書き込んだり塗ったりしてあると、アルミニウムは空気中でも自然酸化皮膜を生成するため、これらのインクや塗料で覆われた部分と、それ以外の部分で微妙な表面状態の差が生じます。
その微妙な表面状態の差が、アルマイト後に顕著に出る場合があります。
・放電加工、ワイヤーカット
放電加工、ワイヤーカットしたアルミニウム表面には強固な酸化膜が形成されてしまい、アルマイト皮膜が生成しない場合があります。また、熱負荷の強くかかった部分は、色調違いや面荒れが生じると共に、他の正常部とは生成する膜厚が違ってきます。
・熱による影響
溶接部アルマイト 機械加工時(ヘアーライン・バフ研磨・溶接など)にアルミニウム表面に熱負荷がかかり熱処理したような状態になってしまっている場合があります。
特に、A2000系、A7000系の素材では熱処理区分が低くてもアルマイト皮膜に溶けが発生するケースがあります。また同時部品でも熱負荷のかかり方の違いにより色調の濃淡が発生する場合があります。
・腐食
アルミニウム合金は「高温多湿環境での保管」「水溶性油、または劣化した油の付着」「汗の付着」「雨の付着」などで腐食が生じることがあり、特にジュラルミンと呼ばれるA2000系、A7000系の素材は腐食しやすい性質があります。腐食部分は、アルマイト工程で除去できないほどの、酸化膜が生成されており、アルマイト皮膜の欠損、黒斑点、、茶斑点、ムラなど外観やアルマイト未生成の不具合に繋がります。
・発色
アルミニウムは、材質・膜厚により自然に発色し、その色調は材料ロット、機械加工・熱処理などの違いでも色調が変わります。特に A2000系・A7000系の材料は淡い金色っぽいう色調に発色します。材料取りの近いにより「縦縞」「横縞」の仕上がりになる事もあります。また、溶接や機械工等で熱負荷がかかった部分は、他の部分よりも目立つようになります。

※事例写真が撮影できましたら、掲載させていただきます。

・穴埋め加工
間違えて穴をあけてしまったりして、その部分にアルミニウムの丸棒などを埋め込んで、削る事で素材の状態では見えないように隠してあることがありますが、アルマイト加工をすると、その埋めた穴の部分が顕著に目立ってしまいます。これも材質の影響を受けていたり、ほんの少しの隙間が線状になって穴を目立たせるようになりますので、穴埋めをする場合は、ユーザー様にご確認後に行う方が良いです。

アルマイト工程については、こちらのページをご確認ください。