アルミニウム製の弁当箱で、アルマイトされているものが梅干しで点食が、湯沸かしの内面が使用後、真っ黒になった。こんな事があるかと思います。

これは、アルマイト皮膜が食品に侵されたことによる現象です。

1.アルミ調理器品の種類

アルミ調理器は、煮る、茹でる、沸かす、焼く、炒めるなどの加熱的調理器具と食品の貯蔵及び非熱処理調理器具(ボール・洗い桶・パット)に大別されます。

腐食の対象となる加熱器具の加熱環境は、0~350℃以上、接触食品のpHは、3~14と広範囲の環境で化学的、熱的、時間的に不特定条件で使用されます。

2.調理に使われる溶液でのアルミ材の腐食

1) 30分煮沸浸漬における腐食

pH9以上の重曹水、こんにゃく、中華めん茹で汁では、アルミを多く溶解腐食し、光沢どの現象が顕著になります。
pH6~9の水道水、食塩水、化学調味料、こんにゃく、生中華めん茹で汁で、表面に皮膜が生成、黒変色などの変色現象が見られます。

アルミ鍋黒変色

pH6以下の食酢、醤油、野菜ゆで汁では腐食性は非常に少なく、光沢度も変わりません。

2) 常温浸漬における腐食

梅酢、食塩酢のように有機酸を含みpH2.4以下で、浸漬1~10日ほどで全面腐食し腐食量も大きいです。
醤油はpHがアルミの不動態化領域にあり、塩素イオン、アミノ酸などを含み5~10日ほどで皮膜の欠陥のある箇所に孔食が発生します。
重曹水、食塩水は、不動態化皮膜を多少溶解しますが、生成されたアルミ塩は加水分解され、水酸化アルミを形成し、アルミ表面に再び沈殿吸着して有色皮膜を生成します。腐食量は比較的少ないです。
化学調味料、クエン酸では不動態皮膜の溶解が少なく、腐食量も少ないです。

表面処理に関する専門用語はこちらで詳しく解説しています

3.黒色変色

アルマイト加工品の黒変化は、露出したアルミ表面への水中、溶液中の各種金属イオンの析出とアルミ合金中の異種金属の露出による反射率の低下が大きな要因となります。

「アルミ合金中の異種金属成分」


水中に析出した金属は、水、溶存酸素共存イオンなどの作用により、その一部は酸化物、水酸化物、塩類などに変化し、黒変化を助長します。

井戸水、水道水を沸騰したアルミ鍋のアルミ表面が黒くなる場合があります。黒変色の度合いは水中に含有する物質、アルミ材質により異なります。
黒変色した部分を分析すると、Ca(カルシウム)、Mg(マグネシウム)、Si(ケイ素)のような水中に含有する物質が検出されます。黒変色部に、これらの物質が沈積して、アルミ表面が粗くなっています。薄い茶灰色から黒色はアルミ純度の低いものほどよく現れてきます。

飲料水の場合、純粋に近い水で煮沸すると強固な厚いベーマイト皮膜が形成される場合や、陽極酸化皮膜が存在する場合には、黒変化は起こりません。

4.缶底黒変

缶底の化成皮膜に欠陥がある場合、内容物充填後の熱水による殺菌工程において、缶底部外面に変色が起こることがあります。この変色は加熱殺菌時に、皮膜の欠陥部で露出しているアルミ地金と加熱水が直接接触による水和反応が起こり、アルミナ水和物(Al2O3・XH2O)層が成長する過程で、加熱水中の不純物元素であるCa、Mg、Siなどが取り込まれ、結果としてその部位が変色して見える。

点状黒変は、脱脂浴中に保持しきれなくなった油分が油滴となり、缶底ドーム部の周辺部に付着し、その部分に充分な皮膜がつかなかった場合などに発生します。

5.局部腐食

調理器具では、溶液中の各種異種元素(食塩など)がアルミ表面に吸着することから局部腐食が起こることが多い。ピット腐食の内側ではアルミが溶出し、発生したアルミイオンに見合う塩素イオンなどが表面から浸入拡散して、ピット内の酸性度を高め、アルミの溶解を促進する。

一方、ピットの外に拡散したアルミイオンは水酸化アルミとなり、孔の出口に沈殿推積してゲル化し、孔の入り口を栓の形で塞ぐため、内外部の液移動が不十分となり、ピット内アノード部の酸性塩化物の溶液維持ができず、中性になってアルミの溶出が止まり、腐食の進行も止まります。

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