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蒸着法(じょうちゃくほう)
金属あるいは非金属の小片を真空容器中で加熱蒸発させて、対向した基板の基面に凝着させ薄膜を作る方法。
応用分野は多岐にわたり、各種の磁性薄膜・金属薄膜・半導体薄膜の形成手段として重要な方法である。
真空蒸着を行なうときは、加熱された蒸着材料と被蒸着基板との距離よりも蒸着材分子の平均自由行程が長くなるような高真空を保つ必要があり、通常 10-2~10-7 くらいに設定される。
蒸着材料の加熱には,高融点 (タングステン,タンタルなど) のヒータを使う方法 (抵抗加熱蒸着) と、
加速した電子ビームで蒸着材料を衝撃して加熱する方法 (電子ビーム蒸着) がある。
後者は高融点金属 (タングステン,モリブデン,白金など) やヒータを浸食する金属 (アルミニウム,ニッケルなど) の蒸着に適する。
真空蒸着は、厚さ数十μm程度までの均一な薄膜を量産する方法としては最も低廉なものである。ただし、
蒸着材料が合金や化合物のときは,蒸気圧の差異のため蒸発材と同一組成のものが基板に凝着するとはかぎらず、
基板表面に段差やオーバーハングがあるときはその部分の凝着が不完全になりやすい。
最近は蒸着法に換えてスパッタ法を用いることも多くなっている。