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無電解ニッケルめっき (むでんかいにっけるめっき)
無電解ニッケルめっきは1944年A.BrennerとG.Ridellによって偶然発見され、1946年に公表されました。
彼らは、Ni-W合金の研究中、電析時のアノードの酸化を防止する目的で、還元剤である次亜リン酸塩を添加し、
電流効率が120%~130%に達する異常現象が起こりました。
この現象を深く追求した結果、電解だけではなく次亜リン酸塩の還元作用よっても析出したことを知り、
適当な溶液組成条件のもとでは、化学的にめっき膜が形成される事を確認しました。
しかしこの画期的な発明も、めっき速度が比較的遅く、実用的ではくめっき面が層状で均一性がない、
めっき液が不安定で寿命が短く薬品コストが高いと言った難点があり工業的な実用にはいたりませんでした。
その後、GATC(General American Transportation Co.)社の技術者たちが研究に着手し、1950年代に工業化に成功しました。
GATC社ではこの無電解ニッケルめっきの方法をCatalytic Nickel Generation(触媒的ニッケル生成)からKanigen(カニゼン)と命名し、
世界各国に登録されました。
日本においては、1957年(昭和32年)に工業化が開始されました。
また、その後の研究によりめっきに利用される金属の種類が増し、コバルト、金、白金族金属などが可能になりました。