検索したい用語を入力してください。
水和反応(すいわはんのう)
一般にアルミニウム多孔質皮膜の代表的な水和物は、
1)常温の湿性空気中で層状に生成するバイヤライト(γ一Al2O3・3H2O)
2)脱塩沸騰水或は水蒸気中で生成するベーマイト(γ一Al2O3・H2O)
と類似のものが得られる。即ち、アルミニウムそのものが水和していく過程は、水素を放出する水和酸化物の生成反応であり湿度、pH、水質等の影響を受ける。
Al2O3+H2O→2AlO(OH)一Al2O3・H2O>80℃、ベーマイト
2AlO(OH)+2H2O→2Al2O3・3H2O<80℃、バイヤライト
ニ態の水和物の根本的な相違は保護的性質によるもので、腐食環境において一水和物は三水和物より溶出しにくく安定性がある。
アルマイト多孔質皮膜の水和反応により得られるベーマイトは、表面に析出した結晶性物質を電子線回折、X線回折により解析し、層間に過剰の水を吸着した擬ベーマイト (γ一Al2O3・1.4~2H2O)で針状結晶の形であると言われている。
水和反応の代表的なものは、沸騰水処理及び水蒸気処理である。沸騰水処理は水質、pH等の影響を受け、処理条件のうちで低湿度、短時間よりも液中の不純物(特にリン酸塩、ケイ酸塩)、pH5以下が大きな影響を及ぼす。
水蒸気処理は、オートクレーブ中で処理を行い、圧力と時間が大きなファクターである。
水和反応は、皮膜表層ほど水和により膨潤しやすく微細孔は不活性になり、水和方法による違い、例えば沸騰水処理、加圧水蒸気処理等によるベーマイト化は、その結晶化度に影響を及ぼし、深さに差が現れてくる。