めっきの良し悪しを決めるのは、すべてめっきの前処理にかかっていると言っても過言ではありません!

前処理の重要性

品質の良いめっきは、めっき前の表面がしっかりとめっきされるにふさわしい表面状態になっていなければなりません。
めっきされるにふさわしい状態を得るには、めっきの前処理が非常に重要なのです。

めっきがつきやすい状態であるとは、例えば、前工程の機械加工の切削油や圧造油が残っていたり、作業者の手垢や搬送するときに付いた汚れなどがある場合に、綺麗に洗われている必要があります。

めっきラインアルカリ脱脂工程

また、めっきする素材が酸素と結びつきやすいものであれば、酸化膜が生成していて、めっきが付きにくい状態になっていますので、その場合は、この酸化膜を除去する必要があります。
前処理は、これらを確実に洗浄しておくために、非常に重要な工程と言えるのです。

前処理の選択

前処理の内容は、めっきによってそれぞれ違うのですが、 今回は一般的な内容を紹介します、実際には、非常に複雑で細かな内容です。

  • 輸送や準備作業で付着したゴミ・異物を除去します。過度な汚れに対しては、溶剤を使ったり、物理的な洗浄方法として超音波洗浄などを行うこと もあります。
  • 油などしつこい汚れを対象にアルカリ脱脂を行い、次に酸を使ってサビ・スケールなどを除去し、 めっき表面の活性化を図ります。

これらの工程間では必ず水洗を行い、前工程の薬液が次工程に入り込まないようにします。
アルカリ脱脂の時の薬剤や酸洗いの酸の種類などは、めっき対象物や、めっき前までの加工履歴によってそれぞれ異なります。過去の実績や化学的根拠で、適切なものを選ぶ必要があります。
こうして次のめっき工程で、きちんとめっきされるように、確実な前処理を行います。

前処理が良くないと、めっきの不具合が発生してしまうことになります。

一般的な表面処理の内容を下記にご紹介させていただきます。

表面洗浄 表面をきれいにしてめっきが付きやすくする ゴミ・汚れ・手垢 アルカリ電解脱脂・アル カリ脱脂など
油脂
表面改質 表層めっき不適層の対応 アルミの酸化膜 ジンケート置換下地めっき
銅の酸化膜 酸洗い・塩酸・硝酸・硫 酸など
クロム酸化膜
表面調整 表面の凹凸を平らにして 光沢を良くする 鋳鉄(表層部の緻密組 織) 酸洗い(硫酸など)
アルミ鋳物 ジンケート置換下地めっ き

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この記事の著者は

株式会社小池テクノ 代表取締役 大橋 一友

株式会社 小池テクノ 代表取締役社長
大橋 一友
毒物劇物取扱責任者
水質関係第二種公害防止管理者
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
化学物質管理者
特別管理産業廃棄物管理責任者