先日、ホームページを見てくださって、お電話でお問い合わせがありました。
『4mm×4mmのリベットにアルマイトできますか?』
とお電話でお聞きしたのですが、

  • 製品の現物を確認したい
  • 現行の仕上がり具合を確認したい

と思い、完成品と素材のサンプルを送っていただきました。

小さなリベットですが、実際に月産で10万本ほどは生産しなければならないものなので、どんな方法でアルマイトをおこなうかを事前に検討してサンプルを作らないと量産に対応できなくなってしまいます。
試作で、類似したものを数個作ることはできても、量産に対応できないという話は様々なお客様のお困りごととして、今までも聞いてきたので、試作段階から量産のことも考えて対応していきます。

1.アルミリベット素材の確認

アルミリベットの素材が届いたので、製品の状態を確認します。
胴体部は、中空になっていて穴が下を向いてしまうと穴の中がアルマイト皮膜が生成しなくなってしまいますので、穴を横向きにするか、上向きにしてアルマイトをおこなわなければなりません。

また、前処理で洗浄する場合も穴の中が洗浄できるように同様に扱わなければなりません。

2.現行製品の確認

現行、量産で生産されているアルミリベットの状態を確認します。
下記の写真が、現行のものなのですが、通常の無色アルマイトよりも白っぽく仕上がっている感じに見えます。
前処理での洗浄段階で、この外観に使い状態を作り出しアルマイト皮膜を生成させなければならないので、エッチング工程の時間を調整し外観を調整する事にします。

「めっき・表面処理用語集」知りたい用語を検索。こちらで詳しく解説しています。

3.アルミリベットのアルマイト試作

アルミリベットのアルマイト試作に入ります。
現行品の状態、素材の状態も確認しましたので、どのように前処理をおこないアルマイトを施すかの構想は出来上がっています。

通常よりも、エッチング時間を長めにおこなうことで、白っぽい表面にし、アルマイト皮膜を生成させます。
ここで、通常のアルマイト法では、ラッキングして電解をおこなうのですが、月産で10万本の生産をおこなうには、ラッキングしていては生産効率が悪いため、弊社独自のアルマイト法でラッキングせずアルマイトをおこないます。

ランキングしないアルマイト法は、非公開の方法ですので紹介できませんが、ラッキングしないため、スピード感もあり、接点も小さめに仕上がる方法になります。

処理して完成した製品が下記の写真になります。

1時間で、数千個の処理が可能と判断していますので、量産試作をしながら、工程をさらに詰めていくのですが、今回の試作品をお送りして確認していただいたところ、問題なしとのご判断をいただき、量産に早々に入れそうです。

4.動画で解説しています。


 

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この記事の著者は

株式会社小池テクノ 代表取締役 大橋 一友

株式会社 小池テクノ 代表取締役社長
大橋 一友
毒物劇物取扱責任者
水質関係第二種公害防止管理者
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
化学物質管理者
特別管理産業廃棄物管理責任者