以前に、『鉄とアルミ複合製品の穴の中だけ無電解ニッケルめっきをしたい』とご相談がありました。

無電解ニッケルめっきは、鉄にもアルミにもめっき可能ではあります。

めっきには、前処理と言ってめっきする前に製品に付着している油やスケール・サビなどを除去する工程があります。
この前処理が、鉄とアルミでは違うのです。

前処理の方法が違うのは素材を痛めないようにするためや、めっきを確実に素材に密着させ耐食性のある皮膜を得るための前処理のため、ここが違うということは一緒にめっきをおこなうことができないのです。

ただ、今回のお話は穴の中だけめっきして欲しいとのことなので、穴が空いている部分はアルミで製作されている部分なので、アルミの前処理をおこなって無電解ニッケルめっきしていくことになります。

1.鉄の部分を保護する

無電解ニッケルめっきの前処理をおこなうためには、鉄の部分は保護しなければなりません。
アルミに対して、無電解ニッケルめっきをおこなうには、スマット除去の工程で硝酸に浸漬します。その際に、鉄の部分が剥き出しでは鉄が硝酸によって溶かされてしまいます。

鉄の部分を保護するには、マスキング剤を鉄の部分に塗布してマスキングをおこないます。

無電解ニッケルめっきの工程では、90℃の液に入れるためマスキング剤そのものも、90℃に耐えられるものでなければなりません。

めっき業界では、塗布するタイプのマスキング剤なども材料メーカーにて販売されているため、それらを使ってマスキングをおこないます。

このとき、めっきしたいアルミの部分にはマスキング剤が付着しないように丁寧に塗布し完全に乾くまで乾燥させます。

2.無電解ニッケルめっき

塗布したマスキング剤が完全に乾燥したら、めっきが可能です。
鉄の部分は全て保護してあるため、アルミの部分だけが露出していますので、アルミの部分を脱脂→エッチング→脱スマットをおこないます。
今回の製品は、アルミ部分がAC4C材と言ってアルミ鋳造品であるため、脱スマット液には硝酸ではなく、硝フッ酸タイプの脱スマット液を使用してスマットを除去します。

スマットの除去が完了したら、ジンケート処理をおこなうのですが、
ジンケート処理とは、アルミの上に亜鉛の薄い皮膜を置換めっきする工程になり無電解ニッケルめっきをアルミに密着させるために非常に重要な工程になります。

アルミ素材上に亜鉛皮膜を置換めっきできたら、硝酸で置換めっきを剥離します。
一度めっきした置換めっきを剥離することで、綺麗な素材表面にし再度置換めっきをおこないます。このことをダブルジンケートと呼ぶのですが、アルミに密着性の良い無電解ニッケルめっきを得るためには必要な工程になります。

2回目のジンケート処理が完了したら、無電解ニッケルめっきをおこないます。

アルミ上に置換めっきされた亜鉛とニッケルが反応しアルミ上に無電解ニッケルめっきが析出していきます。
今回、穴の中のため液の流動がしにくいため、製品を揺動させながら気泡を常時取り除きピンホールが発生しないようにニッケル皮膜を析出させていきます。

鉄とアルミニウムの前処理の違いは、下記の記事で詳しく解説しています。

アルミニウムに無電解ニッケルめっきできますか?

「めっき・表面処理用語集」知りたい用語を検索。こちらで詳しく解説しています。

3.内面に無電解ニッケルめっき

無電解ニッケルめっきが完了したら、乾燥させてマスキングを剥離します。
マスキング剤を塗布して、めっきをおこなった物などによくあるのですが、マスキング部分とマスキングしてない部分の境界部分は、綺麗に仕上がることは少ないです。
どうしても、液の温度が高くなったり低くなったりするため、剥がれやすくなります。

その辺も最初に確認し、問題ないことを確認した上での処理にあります。

今回、無電解ニッケルめっきが完了した製品の内面が、下記の写真になります。

マスキング剤でアルミ部分の一部まで覆うようにして、鉄に絶対液が触れないようにマスキングした後に、無電解ニッケルめっきを施してあります。

今回の製品、鉄とアルミを分解してめっきすることも考えましたが、特殊な製造方法をされているため、分解することができない製品でしたので、マスキングしてめっき処理するしか方法がありませんでした。

仕上がり具合などを気にする場合には、鉄とアルミを分解し個別にめっきする方が間違いなく綺麗に仕上がります。

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