お客様からお電話があり、
アルマイト加工した製品を傷つけてしまいました。再加工できますか!?」と・・・

アルマイト傷あり

可能と言えば、可能なのですが、寸法公差などがある程度許容される場合に限られます。
なぜかというと、今、処理されているアルマイト皮膜を剥がす際に、素材も一緒に溶けてしまうからなのです。

現在、処理されているアルマイトの皮膜の厚さが10μmとすると、皮膜を剥離した場合、片側だけでも、10μmは、素材の寸法が減少します。皮膜だけをキッチリと溶解させることはできず、若干アルミニウム素材も溶けてしまいます。そのため、寸法に狂いが生じます。

アルマイト加工した際の、処理後の寸法変化って、どれぐらい変わりますか!?

1.アルマイト剥離の場合の寸法変化

アルマイト皮膜10μmの皮膜が施されている場合に、皮膜を剥離すると最低10μmの厚みの皮膜は溶解されますが、同時にアルミ素材もその際に溶解してしまうため、10μm以上の寸法誤差が片側だけで発生します。製品は、基本的に片側ということはないため、10μmを剥離するということは、製品寸法として、20μmは変化することになります。

そのため、剥離後に再アルマイト加工した際に、寸法を元の状態に戻すには、20μmの皮膜の生成が必要となるのです。皮膜の厚さが変わるということは、外観に影響を及ぼすとともに、あまりにも厚い皮膜の場合は、硬質アルマイトを施さなければ、そこまでの皮膜の生成が難しくなってきます。

アルマイト皮膜はくりによる寸法変化 ※画像をクリックすると拡大します。

2.アルマイトを剥離した状態

アルマイト皮膜はを苛性ソーダ溶液にて、剥離した状態が下記の写真です。
皮膜はなくなり、アルミ素材の状態になります。今回の製品は、アルミ鋳造品のため、スマットと呼ばれる汚れが剥離後の表面に発生するため、硝フッ酸で、スマットと呼ばれる汚れを除去した表面になります。

アルマイト剥離後

アルマイト皮膜の上からついたキズでも、キズの深さが素材に到達している場合は、剥離しても、上記の写真のように素材に残ってしまいます。このキズを消したい場合は、この状態で機械加工などで、キズを消す必要があります。
今回は、このままアルマイトを施すとのことなので作業を進めていきます。

表面処理に関する専門用語はこちらで詳しく解説しています

3.はくりした製品を再アルマイト

アルマイト皮膜を剥離した製品を再度アルマイト加工します。ここからは、通常の工程と同じ工程を辿るわけですが、剥離する際に、脱脂、エッチング、脱スマットは済んでいる状態ですので、剥離してすぐに処理をする場合は、このままアルマイト処理の工程へ進めていきます。

剥離後、ある程度の時間放置したり、機械加工したりする場合は、再度、脱脂・エッチング・脱スマットの工程が必要になります。
なぜかというと、空気中の油分が付着したり、自然酸化皮膜が生成したりするためです。

今回は剥離後、すぐにアルマイト工程へ入りますので、そのまま処理を進めていきました。

アルマイトラインから仕上がって乾燥まで終わった時点で、キズのあった位置を確認すると、肉眼でもキズがあったことがわかるレベルで、キズが見えますが、最初のように白くキズになってアルマイト皮膜が剥がれているとうようなことはありません。

今回は、これでOKと指示をいただいているので、この状態で納品させていただきます。

アルマイト後

アルマイトの再加工は、もともとの皮膜の剥離なども含めて手間がかかりますし、コストもかかります。さらに、寸法の変化までも起こるので、あまりオススメはできませんが、どうしても再加工しなければならないという場合は、ご相談ください。

公差穴などのある製品の場合は、マスキングなども活用して再加工する方法もあります。

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