お客様から見積もり依頼があったので、図面を確認すると、とても薄い製品で部品そのものも小さい。

下記の図のような製品でした。
しかも、接点位置が決められていて、掴む方式の治具で掴んだ場合、確実に曲がってしまいます。

ですが、接点位置が決められている場合、意図があって決められており
今回は、反射させないように艶消しの黒色アルマイトをおこないたい。そのため、接点の白い部分があってはNGとなってしまうようで、確実に接点位置を守らなければならない製品でした。

この決められた部分を使って、艶消し黒色アルマイトをおこなうことは非常に難易度も高く、変形の恐れもあるため、お客様と打ち合わせをして、加工する方法を検討しました。

1.接点位置の再確認

接点位置を変えることはできないのか?
ユーザーさまに確認していただいたのですが、それは不可とのこと。

では、接点位置を変えることなく、製品を現実的に作る方法を金属加工と表面処理の部分で話し合い、作り上げる方法を検討することになりました。

「めっき・表面処理用語集」知りたい用語を検索。こちらで詳しく解説しています。

2.先に機械加工しない

アルマイトをおこなうには、必ず接点が必要になります。
ですが、その必要な接点が正しく取れない設計になっている場合もたまにあります。

今回、大きな板のまま艶消し黒色アルマイトして、最後に製品サイズのものを加工して板から切り出したらどうでしょう?とご提案させていただきました。

ですが、そうなんです。
t0.3×11の部分も艶消し黒色アルマイトがされていないと、NGとなってしまうため、先に大きな板でアルマイトをおこない、後で加工すると言う方法が使えません。

では、『30cm×2mm幅の板を艶消し黒色アルマイトして、11mmに切断すると言うのは、どうでしょう?』と提案させていただきました。

そうすることで、t0.3×11の部分は、艶消し黒色アルマイトがほどこせます。しかし、加工が困難と言うことでこの方法もダメでした。

3.お客様からの提案加工方法

2で紹介した加工方法を、基にお客様が考えてくださった方法が、下記の図になります。

この方法であれば機械加工も可能で、アルマイト加工も可能。
しかも、この方法の方がアルマイト加工費もコストダウンできる。

ユーザーさまにとっても、良い方法なのではないかと思います。

このようにアルマイトを施す前の段階から、ご相談いただけることで処理方法、機械加工方法含めて検討し、通常では難しい製品も作成可能になることもありますので、事前にご相談いただけたらと思います。

4.動画で解説しています。


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この記事の著者は

株式会社小池テクノ 代表取締役 大橋 一友

株式会社 小池テクノ 代表取締役社長
大橋 一友
毒物劇物取扱責任者
水質関係第二種公害防止管理者
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
化学物質管理者
特別管理産業廃棄物管理責任者