めっきが広く社会に寄与している機能に耐食性があり、いろいろな防食方法の効果を試験的に確認する方法が決められています。

めっきの耐食性評価について

めっきの三大機能は、外観装飾性・機能的性能・耐食性になりますが、この中でも耐食性は古くから要望されるものでした。
耐食性の評価は難しいものがあります。なぜなら、評価には時間がかかるとともに、屋内で使用・屋外で使用、または山の中と海岸で使用では環境が違ってきます。また潮風がある・ないでも状況が違ってきます。
工業地帯と住宅環境の違い。雨が多い地域、湿度が高いなど天候による違いもあります。

現在、耐食性評価は、環境をシミュレートした濃縮試験が一般的です。濃縮試験とは、例えば、試験に時間がかかりすぎる場合に、雰囲気条件を実際より厳しく設定して早く結果を得る試験方法です。
しかし、これでも絶対評価は難しく、いろいろな条件下での相対的優劣で効果を判断しているのが現状と思われます。

表面処理に関する専門用語はこちらで詳しく解説しています

めっきの耐食性試験方法

JIS規格で定められている代表的な耐食性試験方法(JIS H 8502)には、下記にご紹介するものがあります。

⑴塩水噴霧試験

塩水噴霧試験は、35℃の雰囲気で連続的に塩水を噴霧し、資料の腐食程度を評価します。

塩水噴霧試験結果は、下記のような報告書として報告します。

⑵キャス試験

キャス試験とは、50℃の雰囲気で塩化ナトリウムに塩化第二銅を加えた溶液を連続噴射して評価する方法です。
装置そのものは、(1)塩水噴霧試験で使用する装置と同じですが、試験温度と使用薬液が異なります。
キャス試験の方が、塩水噴霧試験より厳しい試験条件になっており、濃縮したモードです。

(3)屋外暴露試験

屋外暴露試験とは、建物の屋上など太陽光が計画的に確保できる場所に試験資料をセットし、評価する方法です。

(4)特殊ガスでの腐食試験

使用環境にできるだけ近づける環境を準備するため、二酸化硫黄、塩素ガス等の特殊雰囲気を設置します。

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この記事の著者は

株式会社小池テクノ 代表取締役 大橋 一友

株式会社 小池テクノ 代表取締役社長
大橋 一友
毒物劇物取扱責任者
水質関係第二種公害防止管理者
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
化学物質管理者
特別管理産業廃棄物管理責任者