以前にも似たブログを書きかましたが、前回は、ブラスト処理にて対応したブログでした。
今回は、化学洗浄でなんとか対策をできないか!?というお話。

前回のブログを見たい方はこちらから!

さて、本題です。
ステンレスに塗装した場合に、剥がれてしまう原因は不純物の付着などが考えられるので、今回は、化学洗浄で表面の汚れや不純物を除去していきます。
今回の製品は、写真の撮影がNGのため試作用テストピースを使ってご説明します。

まずは素材。

汚れが付着しているのが肉眼でもわかります。
これを3つの工程にて洗浄して、綺麗にして比較していきます。

ステンレスの洗浄方法

① アルカリ性の脱脂剤にて表面の油分等を洗浄しただけのものになります。
② ①のアルカリ脱脂洗浄後に、酸による洗浄を加え脱脂処理だけでは除去できない汚れを除去したものになります。
③ ①+②の洗浄をおこない、表面を化学薬品で梨地状態になるようにエッチングし、表面を中和したものになります。

各洗浄の仕上がり状態の外観写真と表面を100倍、300倍、1000倍に拡大して、表面がどのように変化したかを確認してみたところ、「脱脂」と「脱脂+酸洗浄」ではほとんど違いはありませんが、「エッチング+中和」の工程を施したステンレスのテストピースは、表面が明らかに粗れており、アンカー効果が得られる事がよくわかります。

注)アンカー効果の説明は、こちらのブログで

各洗浄後の表面状態比較

脱脂 脱脂+酸洗浄 脱脂+酸洗浄+エッチング+中和
洗浄後写真
洗浄後表面拡大写真
x100
洗浄後表面拡大写真
x300
洗浄後表面拡大写真
x1000

お客様に、今回のテストした製品をお渡しして塗装の剥がれ具合のテストをして頂きましたが、もっとも、剥がれなかったのが、「エッチング+中和」を実施した製品であり、次が「脱脂+酸洗浄」→「脱脂」という結果になりました。
塗装が剥がれて困るなどの場合は、サンドブラスト化学洗浄塗装下地用亜鉛めっきアルマイトなどで防げる場合がありますので、お困りの際にはご相談ください。

 

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ステンレスにサンドブラストすると塗膜の密着力が向上する。

この記事の著者は

株式会社小池テクノ 代表取締役 大橋 一友

株式会社 小池テクノ 代表取締役社長
大橋 一友
毒物劇物取扱責任者
水質関係第二種公害防止管理者
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
化学物質管理者
特別管理産業廃棄物管理責任者