M3×6mmの小さなネジに青色アルマイトのご依頼がありました。
アルマイトは不動態化皮膜を生成するため、ラッキングしてアルマイトをおこなう必要がある表面処理です。

小さなネジの場合、ラッキングする手間が非常にかかり割高になってしまうか、小さ過ぎてアルマイトができないと言われることが多いようです。

今回は、小さいネジにアルマイトをする際に、化学研磨も必要となる処理のため化学研磨液に浮いてしまう可能性もありました。

1.化学研磨をおこなう

アルマイトをおこなう前に、前処理をして化学研磨処理をおこないます。
今回の小ネジは、アルマイト工程でもラッキングせずにアルマイトをおこなう段取りでいるため、化学研磨もラッキングせずバスケットで処理し、そのままアルマイト工程へ進めていきます。

化学研磨をバスケットでおこなう際に、小ネジが化学研磨液中で浮いてしまい化学研磨がしっかりと施せないようではいけないので、しっかりと揺動させながら化学研磨液中に浸漬して処理をおこないます。

化学研磨が施せた小ネジが下記の写真になります。

ピカピカに光沢のある表面になります。このピカピカの表面にアルマイト皮膜を生成させ、青色の染料で染色し青色アルマイトを施します。

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2.青色アルマイトをおこなう

化学研磨が完了した製品を、特殊な方法でアルマイト加工します。
他社ではおこなえない、小物専用のアルマイトラインで処理していきます。
ラッキングする工程はないため、1000個程度は1度に処理できてしまいます。

ラッキングしないアルマイト法で処理しているため、アルマイトの際の接点の位置については、調整などはできないため、どこに接点が出るのかはわからない方法になってしまいます。

ですが製品が小さいため、接点の大きさも非常に小さく、あまり目立たない状態になります。

青色アルマイトした小ネジが下記の写真になります。

ラッキングしていないため1000個を一度でアルマイトすると、1000個全てが良品とはならないため、ある程度のNG品が発生します。
寸法的に問題のない製品の場合は、NG品はアルマイトを剥離し、再度化学研磨してアルマイトするというかたちで再加工します。

小さすぎてアルマイトが難しい、できないなどと言われたような製品の場合は、ご相談ください。

3.動画で解説しています。

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この記事の著者は

株式会社小池テクノ 代表取締役 大橋 一友

株式会社 小池テクノ 代表取締役社長
大橋 一友
毒物劇物取扱責任者
水質関係第二種公害防止管理者
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
化学物質管理者
特別管理産業廃棄物管理責任者