先日、お電話で『金色のアルマイトをして欲しい、できますか?』とご相談がありました。

金色のアルマイトできます。
ですが、金色と言っても・・・何種類もあります。
以前にもカラーアルマイトの染料についてご紹介した記事を書いていますが、

金色だけでも数種類の染料と、染料ごとの色の濃淡があります。
どの色を想像して金色と言う言葉になっているのか、そこが明確になっていないと、アルマイトをしてから色調が違う、色の濃さが違うとなってしまいます。

では、どのようにして
希望の色調や濃さにするのか?

それは、色見本と照合して色調の近い染料を選択し、そして、濃淡を染料見本から選び、試作をして濃淡を調整して初めて近似色の製品が作成できます。

1.サンプルを確認し、染料を選ぶ

希望している金色と同じ色調の製品があれば、それを使って色見本と照合して染料の種類を選びます。
この時、色調が違う染料を選んでしまうと、濃淡をつけたところで同じ色のアルマイト にすることはできません。

染料の選定は、大切な部分になります。
お客様と弊社とで打ち合わせ染料を選定しますが、ここで問題になるのがアルミニウムの材質。

アルミニウムの材質によっては、アルマイトをすると発色して黄ばみを帯びてしまう材料もあります。
また、鋳造品などでは、黒くなったり、灰色になったりする材質もありますので、安易に染料の色調のみを選定したら良いと言うわけではありません。

染料1
染料2

こちらの染料は、染料カタログの一部になります。

「めっき・表面処理用語集」知りたい用語を検索。こちらで詳しく解説しています。

2.金色の濃淡を調整する

染料が決まったら、色見本の濃淡から濃さを決めます。
この中に希望の濃さがあれば良いのですが、中間色などになってくると、おおよその色調を決めて実際に製品を使って中間色を何段階か作成します。

この時に、製品となるアルミニウム材質と同じものを使い、そして、同じ表面状態のものをサンプルとして作成します。
これには、お客様から製品と同じ材料をお借りして、試作しなければなりません。

色サンプルを何段階か作成するのは、お客様に希望の色調を選択してもらうために作成する目的と、染色の濃さの上限・下限を決めるためです。

染料で染色するにあたり、全く同じとまではいかないため、濃淡の範囲を取り決めるのです。

どの範囲に色の濃さがおさまっていれば良いのかを決めて、その範囲に色の濃さを合わせるようにするのです。

同じ染料で、色の濃淡を変更した記事が、下記のリンクにありますので、ご参考にしてください。

2色のゴールドアルマイト

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この記事の著者は

株式会社小池テクノ 代表取締役 大橋 一友

株式会社 小池テクノ 代表取締役社長
大橋 一友
毒物劇物取扱責任者
水質関係第二種公害防止管理者
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
化学物質管理者
特別管理産業廃棄物管理責任者