お客様から新規の製品のご相談がありました。

大きさ的にも、大きめの製品で普段、弊社でアルマイトを行う中でも大きい部類の製品なのですが、それを量産して欲しいとお話をお客様からいただきました。

アルミ製の針金などで、吊るしてアルマイトを施すには数量的にもコスト的にも大変なので、専用の治具を作成して、希望コストに対応し、数量も生産できるように検討しました。

1.アルマイト治具の作成

製品専用の治具を作成するにあたり、1個製品サンプルをお預かりし、治具メーカーに依頼してチタン製の治具を作成してもらいます。

お借りした製品:キズ防止のため保護フィルムで保護してあります。

お借りした製品

作成期間は、1ヶ月ほどで作成してもらいます。
作成にあたり、外観となる場所・吊るす方法・吊るしたい数量を伝え治具の形状を確認し、依頼します。

2.アルマイト治具のバリを確認

アルマイト用の治具が完成してきたら、治具のバリを確認してキズが製品につかないようにします。バリがある場合、サンドペーパーにて、バリを除去し使えるようにします。

指で触ってみて、バリが除去できているか?を確認してから製品を実際に、吊るしてみます。
チタン製の治具のため、小さなバリでもアルミ製品にキズをつけてしまうため十分に注意が必要なのです。

治具のバリ確認

3.治具の確認

製品を治具に吊るして、治具が変形しないか?などを確認します。

表面処理に関する専門用語はこちらで詳しく解説しています

製品の大きさもあり、重みもあるので治具の強度に問題があると、変形してしまい自動でアルマイト加工中にタンクに接触したり、製品どうしがぶつかってしまう可能性もあるからです。

4.製品をラッキングして生産

出来上がってきた製品をアルマイト専用治具に吊るして、ラインへ投入し問題なく生産できるかの確認をします。

アルミ製品ラッキング

マスキングが必要な部分には、ポリカーボネート製の樹脂ボルトが取り付けてあり、ネジ部をマスキングしています。
ネジ部をマスキングすることで、ネジ部には導通をもたす事ができアースを取る事が可能になります。

アルマイトの治具(ジグ)って、アルミ!?チタン!?どんなの!?

今回の事例のように、製品専用の治具を作成する事でラッキングする手間を削減するとともに、製品の品質および生産量の確保ができるようになります。
これをアルミ製の針金でラッキングしていると、品質も不安定になり、生産量も減少してしまうので先行投資とはなりますが、チタン製の治具を作成しお客様の要望にお応えできるようにしています。

弊社でおこなっている表面処理については、こちらから。

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ボルト・ナット・リベットなどの小物部品のアルマイトをひっかけずバレル等で、なぜできないか!?

アルマイト加工の時、ポリカーボネート樹脂ボルトでマスキ ングした場合どうなるか?

この記事の著者は

株式会社小池テクノ 代表取締役 大橋 一友

株式会社 小池テクノ 代表取締役社長
大橋 一友
毒物劇物取扱責任者
水質関係第二種公害防止管理者
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
化学物質管理者
特別管理産業廃棄物管理責任者