先日、メールで『65×65×65のアルミ製のブロックにカラーアルマイト』をしたいとご相談がありました。

アルミ製ブロックで穴も空いていない製品ですが、以前にも同じような感じで丸い製品をアルマイトしているので、問題なくできることは分かっていましたので、見積もりとリードタイムをご連絡させていただき、アルマイト加工の方を対応させていただきました。

吊るす穴のない製品『開梱ナイフ』をアルマイトして欲しい

アルミブロックの製品が届いたので、梱包を開封して中の製品を確認してみます。
最初のお問い合わせの際に、図面や仕様書などはいただいていないので、製品の状況を先に把握してアルマイト加工方法を考えておきます。

1.ラッキング

製品を確認したところ、切削後にサンドブラスト加工がされており、全面が梨地加工されているため、ラッキングする際に少しでも擦れてしまうと、キズが入ってしまう可能性があるため、普段よりも気をつけなければなりません。

慎重にラッキングした状態がこちらの写真になります。

アルミ製の針金で全体を縛ってはありますが、面の部分には針金が触れないようにし、エッヂ部分だけで給電できるようにしてあります。

この状態で、アルマイトラインへ投入し自動でアルマイト加工されてきます。
この間、接点位置がズレることのないように、確実に製品は固定されています。

2.カラーアルマイト

アルミブロックのカラーアルマイト依頼でしたので、まずは金色のアルマイトを施してみました。
アルマイトのカラーが違うことで、染色工程に違いがあるため、同時に処理はできません。

仮に同時にアルマイト加工した場合、染色工程を別でおこなうことになります。
そのため、同時にアルマイトしてしまうと染色するタイミングが同じであり、色の染色間違いなどを防止するためにも、別々でアルマイト加工します。

金色に染色がされて完成した製品が、こちらの写真になります。

針金もアルミ製のため、一緒に金色に染色されています。
この時、アルミ製の針金が触れている部分はアルマイト皮膜が生成していない状態で、この触れた部分から給電をしているわけです。

金色アルマイトでは、給電している接点もほとんど肉眼ではわからないレベルになっています。

「めっき・表面処理用語集」知りたい用語を検索。こちらで詳しく解説しています。

3.接点の状態は、どんな感じなのか?

接点は、金色ではわかりませんが、どんな感じになっているのか?

わかりやすいのが、グリーンのアルマイトをしたものが、肉眼でも見えますので下記の写真でご紹介します。

この写真の接点部分は少し大きめに接点が出ていたレベルの部分です。
染色の色が濃いめの色ですので、肉眼でもはっきりわかります。

穴のない製品の場合、このように縛ってエッヂ部分で接点を取る方法になりますので、用途的に接点が見えない方が良い場合は、穴を空けて接点の確保をしていただく必要があります。

4.カラーアルマイトの仕上がり

今回、お話をいただいたカラーアルマイトカラーは3色で、
『赤』・『金』・『グリーン』でしたので、どのような仕上がりになったのか、下記の写真でご紹介させていただきます。

今回の製品は、アルミ材質A5052材でしたので、アルマイトも綺麗に施され染色も綺麗に仕上がっています。

材質によっては色調が異なりますので、ご注意ください。

5.動画で解説しています。


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この記事の著者は

株式会社小池テクノ 代表取締役 大橋 一友

株式会社 小池テクノ 代表取締役社長
大橋 一友
毒物劇物取扱責任者
水質関係第二種公害防止管理者
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
化学物質管理者
特別管理産業廃棄物管理責任者