アルミニウムを放電加工、またはワイヤーカットした場合に、その加工面のアルミニウム表面には強固な酸化膜が形成されてしまいます。この酸化膜は不導体化した膜となりアルマイト皮膜の生成を妨害してしまいます。




動画引用:富士エンジニアリング株式会社様

では、どのように放電加工、またはワイヤーカットしたアルミニウム表面にアルマイト皮膜を生成させるかというと・・・

その酸化皮膜を除去するしかありません。
除去するには、

1)機械的に除去する方法。
2)苛性ソーダなどで酸化膜及びアルミニウムそのものを溶解させて除去する方法。

などがあります。

また、放電加工やワイヤーカットでアルミニウムに熱負荷が強くかかった場合は、色調違いや面荒れなどが生じてしまい、他の正常部とは生成する膜厚が違ってきてしまいます。

今回、ご依頼のあった製品も一部外周部が放電加工されており、しかも外観部品でした。

このままアルマイト加工したのでは、外周部には皮膜が生成させにくいとともに、平面部と外周部とで色の違いが発生してしまいます。
また、今回の製品は無色・金色・ブロンズ色と染色アルマイトをしなければならない製品のため、顕著に色の違いが発生してしまいます。
そこで、苛性ソーダで表面を溶解させ不純物・酸化膜ともに除去したのちに、化学研磨をおこない表面状態を揃えるとともに、光沢を出すことにで外観部品としての価値を高める方法を取りました。

無色アルマイト 金色アルマイト ブロンズ色アルマイト

※クリックすると画像が拡大して見ることができます。

今回の製品は、お客様の使用用途が、どのような事なのかを聞いていたので化学研磨して表面状態を揃えるとともに、光沢を出すようにしてアルマイトを施すことが提案できましたが、使用用途などわからない場合は提案させて頂いても用途的に、許可が出ない場合もありますので金属加工段階・設計段階で考慮していただく必要があります。

 

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この記事の著者は

株式会社小池テクノ 代表取締役 大橋 一友

株式会社 小池テクノ 代表取締役社長
大橋 一友
毒物劇物取扱責任者
水質関係第二種公害防止管理者
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
化学物質管理者
特別管理産業廃棄物管理責任者