弊社のホームページのお問い合わせフォームよりお問い合わせのあった案件ですが、『吊るす穴のない製品をアルマイトして欲しい』とご相談がありました。

他社にも問い合わせしたりしたそうなのですが、『穴がないためラッキングできずアルマイトができない』と言われたそうです。
確かに、製品を確認すると穴もなく、全面が外観となる装飾品なので、治具で掴むことも困難な製品です。

ですが、全くやり方がないわけではないので、試作して接点などの痕が気になるか確認してみるしかありません。

1.ラッキングする

この製品をラッキングする思いついた方法は、アルミの針金で縛って吊るす方法です。
全面外観となる製品のため、アルミの針金を接点として触れさせる部分は、エッヂとなる面取り部分のみとしました。

途中で、接点がズレたりしないように上下に引っ張りアルミの針金がズレないように固定しておきます。

ラッキング

チタンの治具で接点を取るよりも、アルミの針金で電流を流した方が製品への電気の流れはスムーズなので、この方法の方が小さな接点でもしっかりと電流を流すことができます。

2.アルマイト加工をおこなう

ラッキングが完了したら、アルマイトラインへ搬送し前処理を行なっていきます。
確実にラッキングができていないと、この搬送中に落下してしまう可能性もあります。

搬送

前処理が完了し、アルマイト皮膜を生成させるため電解を行います。
ここでアルミ線で流せる電流量を超えるような設定電流にしてしまうと、アルミの針金が溶けて切れてしまう場合もありますので注意が必要です。

アルマイト

アルマイトが完了したら、封孔処理をおこない耐食性を確保し、完成となります。

「めっき・表面処理用語集」知りたい用語を検索。こちらで詳しく解説しています。

3.乾燥後

アルマイトラインから取り出し乾燥した製品が、こちらになります。

乾燥後

この写真で確認すると接点位置がエッヂ部だけで取られていることが、わかるかと思います。


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この記事の著者は

株式会社小池テクノ 代表取締役 大橋 一友

株式会社 小池テクノ 代表取締役社長
大橋 一友
毒物劇物取扱責任者
水質関係第二種公害防止管理者
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
化学物質管理者
特別管理産業廃棄物管理責任者