お客様から、黒色アルマイトの依頼があった製品で2つの部品が組み付けてある状態で入荷してきました。

組み付けてある状態でアルマイトをすると、2つの部品の間には少しの隙間があるため、アルマイト液などが入り込み水洗工程などでは洗い流せなくなり少しの隙間に液が残ってしまい乾燥した際に、吹き出してきて外観不具合の原因になります。

今回の製品は、さらに、裏側に鉄製の位置決めピンが圧入されていました。
その位置決めピンも一部溶解してしまっている状態です。

以前に、アルミニウム以外の金属が付いていると溶解してしまうことは記事として書きましたが、今回も、その事例になります。

アルミニウムにステンレスが圧入されたままアルマイトしてしまうと!?こんな不具合が・・・

溶解しない金属 アルミニウム・チタン
溶解する金属 鉄・ステンレス・銅・真鍮など

結局、このままでは外観的にもNGでしょうし、位置決めピンも溶けてしまっているので、製品品質として問題となってしまうことになると思います。

設計する段階でも、このようなことを踏まえて設計していただくことで、不具合をなくすことができると思います。

改良された製品が入荷してきました。
これは、先ほどの事例を踏まえて設計変更されており、2つの部品から構成され、異種金属も圧入されていないため、綺麗に仕上がります。

2つの部品を黒色アルマイトを施すと下の写真のような仕上がりになります。

表面処理に関する専門用語はこちらで詳しく解説しています

別々に黒色アルマイト加工された製品をボルトで組み付ける事で仕上がりは綺麗になります。
固定するためのボルトも確実に締め込むことができるので安心して使用できると思います。

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異種金属が付いている部品でもアルマイトできる?

この記事の著者は

株式会社小池テクノ 代表取締役 大橋 一友

株式会社 小池テクノ 代表取締役社長
大橋 一友
毒物劇物取扱責任者
水質関係第二種公害防止管理者
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
化学物質管理者
特別管理産業廃棄物管理責任者