お客様から、「アルミのナットに黒色アルマイトをした後に、ゲージで検査をしたらゲージの止めは止まるが、通が通らなくなってしまったのでアルマイト処理の条件を変更して、寸法をあわせれないか!?」とご相談のメールをいただきました。

このナットは、通常アルマイト処理を施して使用されている製品ではないため、アルミナット作成の段階でアルマイトの皮膜厚さ分の寸法増加が見込まれていない可能性があり、それで通常のアルマイト処理を施してしまうとゲージが入らなくなってしまうことが考えられます。

そこで、アルマイト工程の前処理(エッチング)で、アルミナットそのものを、若干多めに溶解させてからアルマイト加工を施すことで寸法の調整は可能と考えました。

黒色アルマイトの膜厚は10μm(ミクロン)以上の規格が決められていますので、膜厚を満足する条件であることは必死となります。

しかし、どれぐらい溶解させばよいのか?
そこを確認しながら試作をしてアルマイト処理の条件を出していくにあたり、お客様からゲージとアルミナット素材をお借りしました。

表面処理に関する専門用語はこちらで詳しく解説しています

まずは、素材の状態で、ゲージがどれぐらい入るのかを確認します。

これらを、通常の工程でアルマイト処理を行うと、どれぐらいゲージが硬くなるのかを現状把握してから検討します。

明らかに入りません。通が通らないというよりも、入らない感じです。

この状態だと、アルミナットをだいぶ溶かさなければ、ゲージが入らないかもしれません。

そこで、通常工程の2倍の時間アルミナットを溶解させ、アルマイト処理を行います。

少し最後の方で、引っかかる感じはありますが、奥まで通は通り、止めも止まる感じになりましたが、スルっとゲージが入る感じではないです。

もう1段階溶かして、通常工程の3倍の溶解量にしてみます。

ゲージもスムーズに通り、止めも、止まるので、この条件が一番よいと判断できますが、ゲージはお客様からお借りしたものなので、作成したサンプルをお客様の方にある別のゲージでも確認してもらいます。

たまに、使っているゲージと新品とで差もあるようなので、その辺の確認はお客様側でお願いしてちょうどよいアルマイト処理工程を決定していきます。

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黒色アルマイトをした製品に打痕があったので一部切削した のですが、部分的に黒色アルマイトできませんか?とご相談が・・・

この記事の著者は

株式会社小池テクノ 代表取締役 大橋 一友

株式会社 小池テクノ 代表取締役社長
大橋 一友
毒物劇物取扱責任者
水質関係第二種公害防止管理者
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
化学物質管理者
特別管理産業廃棄物管理責任者