アルマイトをした製品を組み立てや取り扱いの時のミスで、キズをつけてしまったというようなことってあるかと思います。
その場合、アルマイトの再加工で対応したり、切削からやり直して製品そのものを作り直すということが大半だと思います。

ですが、再アルマイトや再切削するところまでしたくない。
そんな時に使える方法がありますので、ご紹介したいと思います。

ただし、アルマイト皮膜を生成するのではないため、アルマイト皮膜の変わりにはなりません。
自分で使う部品などの補修というレベルでの使用になります。
お客様に納品する製品などには、使ってはいけません。後々、問題となってしまいます。

1.黒色アルマイトの傷の補修

黒色アルマイトを施した製品を組みつけの時に、ドライバーを滑らせて傷をつけてしまうことってあるかと思います。
その他、オートバイ部品などで、飛び石で打コンがついて白くポチッとなってしまったなど・・・ そんな時、部品をバラさなくても補修可能な方法です。
今回は、わざと製品に傷をつけて、傷のサンプルを作成しています。

黒色アルマイト 傷の入った状態 傷を補修した状態
黒色アルマイト 傷の入った状態 傷を補修した状態

※クリックすると写真が拡大します。
一番左の黒色アルマイトが施された製品に、刃物で傷をつけたものが真ん中の写真です。
その傷を補修した写真が一番右側の写真になります。
小さい写真ですと少しわかりにくいと思いますので、写真をクリックして拡大して状態を見てください。
補修した部品でも若干は補修したのがわかりますが、傷が入ったままよりは目立たない状態になります。
また、傷が入ったままの状態は、アルミニウムが剥き出しになっていますので、自然酸化皮膜は生成するものの腐食してしまう可能性もあるので補修しておくほうが良いです。

2.無色アルマイトの傷の補修

黒色アルマイトの補修と同じように、無色アルマイトも補修が可能です。
無色アルマイトの場合、傷がついても色調がシルバー調なのでわかりにくいですが、やはり傷の部分の腐食が心配になります。

腐食してしまうとアルミニウム素地に浸食するように腐食が進みますので、補修は早めにおこなっておくほうが良いです。

無色アルマイト 傷の入った状態 傷を補修した状態
無色アルマイト 傷の入った状態 傷を補修した状態

※クリックすると写真が拡大します。
上の写真も、黒色アルマイトの時と同じように、左側から無色アルマイト後・傷を刃物で入れたもの・傷を補修したものになります。
黒色アルマイトを補修した状態よりも少し傷がわかりやすい感じかとは思いますが、1メートルほど離れると、ほとんどわかりません。
これぐらいのレベルで補修ができるなら問題ないという場合にはオススメな補修方法だと思います。

「めっき・表面処理用語集」知りたい用語を検索。こちらで詳しく解説しています。

3.アルマイト表面を補修した補修ペン

今回、黒色アルマイトと無色アルマイトを補修した道具が、『アルミ建材用フェルトペン』になります。
こちらのペンは、『amazon』や『モノタロウ』で購入できます。

このペン以外にも、スプレータイプの『アルミ補修スプレー』も販売されています。
自分で利用するアルミ部品などで、傷をつけてしまった場合の補修に使えると思います。
お客様に販売する製品としては、絶対に使用しないでください。
あくまでも、補修用ですのでアルマイト皮膜が生成するわけではありません。

4.動画で解説しています。


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この記事の著者は

株式会社小池テクノ 代表取締役 大橋 一友

株式会社 小池テクノ 代表取締役社長
大橋 一友
毒物劇物取扱責任者
水質関係第二種公害防止管理者
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
化学物質管理者
特別管理産業廃棄物管理責任者