『アルマイト加工可能な最大寸法はどれぐらいですか!?』とお問い合わせをいただくことがあります。

弊社、ホームページ上でも掲載はしているのですが、
ワークの最大寸法は、

ワーク最大寸法 幅300mm×長さ1000mm×高さ900mm

の範囲内に入るもの。

これ、わかりにくいですよね・・・。

全ての条件に対応しようとすると、このような表記になってしまうのですが、
実際には、この範囲内にラッキングして収まる製品サイズということになります。

大きな製品のアルマイト加工

ですので、製品の形状などによって、このサイズ内に入っていてもラッキングするとはみ出てしまいアルマイト加工が難しい製品もあります。

または、このサイズからはみ出ていても、工夫次第でアルマイト加工が可能な製品もあります。
あきらかに、この最大寸法には収まりきらないような大きな製品は別として、『ギリギリ入る!?』と思う製品の場合は、図面等で形状を確認し、ラッキング位置を確認して入るか、入らないかを検討します。

1.タンクへの接触を検討する

アルマイト加工する際に、ラッキングした製品が搬送中や処理中にタンクや設備などに接触し、キズがついたりしないように、図面からサイズやラッキング位置を確認します。

この際に、アルマイト加工可能な最大寸法を超えていても入る場合もあります。

この写真は、長さ1300mm×幅100mmあるのですが、斜めにしてラッキングすることで、
対角線にラッキングすることで、処理が可能になった事例です。

長尺製品のアルマイト加工

数量としては1本だけのため、このようにしてアルマイト加工することが可能です。

2.エアーポットなどを防ぐため

アルマイト加工している最中に、ラッキング方向などが不適切で不良が発生してしまっては、意味がないので、エアーポットなどの未処理部分などが発生しない形状なのかも含めて検討します。

筒状であったり、箱状などお客様から入荷する製品の形状を把握し、可能であるかどうかの判断が必要となります。

「めっき・表面処理用語集」知りたい用語を検索。こちらで詳しく解説しています。

3.接点位置

アルマイト加工を行うには、必ず電気を通電するため接点となる部分が必要となります。
大きい製品といえども、外観に接点が見えないように工夫をする必要があり、その位置は通電させる電気の量にも耐えられる面積が必要となり、非常に重要なポイントとなります。

大きな製品には、電流量も必要となるためそれなりの大きさの接点箇所が必要となります。
1カ所だけでは難しい場合、数カ所から電気を流し、製品全体に電気が行き渡りやすくなるように工夫してラッキングをします。

接点面積・接点箇所が少ない状態で大きな電流を流してしまうと製品と治具との間で、スパークしたり、コゲ付いてしまったりと不具合が発生する場合があります。

スパークやコゲなどの場合、再加工してもその痕跡は残ってしまいますので、失敗は許されません。

4.運搬できる重さ

サイズ的には、上記の3つをクリアしてアルマイト加工が可能なサイズだとしても、治具にラッキングすることが必要となります。

その治具へのラッキングは、人がおこないます。
アルマイト加工ラインまで、人が運搬しラッキングできる重量であることも一つ大切な部分になります。
大きな製品の場合は、アルミ製の針金で吊るしラッキングすることになるため、アルミ製の針金が製品の重量にも耐える必要があります。

これらのことを考慮して、アルマイト加工が可能な大きさであるかどうかを判断していますので、
一概に、サイズが収まるからと言って必ず可能とは限らないのです。

サイズ・重量的に、ご心配な場合は図面を送って、確認していからご依頼することをオススメします。

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『アルマイト工程は、どんな工程なのか知りたい』と相談がありました。

アルマイトの接点(タッチ面)とは

アルマイトの治具(ジグ)って、アルミ!?チタン!?どんなの!?

この記事の著者は

株式会社小池テクノ 代表取締役 大橋 一友

株式会社 小池テクノ 代表取締役社長
大橋 一友
毒物劇物取扱責任者
水質関係第二種公害防止管理者
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
化学物質管理者
特別管理産業廃棄物管理責任者